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年間1000人以上の子どもが行方不明…「怖いと思ったら防犯ブザー」という教え方だけでは危険 犯罪学の第一人者が解説する「危ない場所」

入りやすく見えにくい階段。落書きは危険な場所のサイン

入りやすく見えにくい階段。落書きは危険な場所のサイン

 警察庁が7月に発表した統計によると、2023年、9歳以下の「行方不明者」は1115人と、前年に比べて50人以上増えている。昔と異なり身代金目的の誘拐事件はあまり聞かなくなったが、それでも毎年1000人以上の子どもが消えているのだ。“ミッシング・チルドレン”と呼ばれる子どもたちの中には、事件に巻き込まれてしまったケースも少なくないだろう。

 治安がいいと言われる日本にあっても、子どもを取り巻く環境は決して楽観できる状況ではない。「暗い夜道は危ない」「怪しい人に気をつけて…」といった教え方で、子どもに注意を呼びかける保護者も多いだろうが、実はその「防犯常識」ではじゅうぶんに安全を守れない可能性がある。
 子どもに教える正しい防犯知識とは? 犯罪学を専門とし、『子どもは「この場所」で襲われる』などの著書がある小宮信夫教授が、具体的な事例をもとに最新の「防犯常識」について解説する。

 * * *

危険な場所を見分ける「景色解読力」が必要

 子どもを犯罪に遭わせないようにするためには、「入りやすい」「見えにくい」場所を見分ける判断力を養わなければなりません。つまり、「景色解読力」が必要です。

「人」で判断するのは不可能なので、その「場所」が危険かどうかで判断するということです。その「場所」が危険かどうかの基準が「入りやすい」「見えにくい」です。

 交通安全を子どもに教えるときには、「この角は運転手から見えにくいから気をつけて」とか、「ここはまっすぐな道が長く続くから、車がスピードを出して走ってきやすいよ」などと、場所を読み解くように教えているはずですから、それと同じことを防犯においても教えればいいのです。

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