「業務時間中に“嘘八百“を含めて、事実無根の文書を作って流す行為は公務員として失格です」──当初は“噂をまとめたもの”と扱われた、兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラや“おねだり”疑惑を批判した元県職員の告発文書。
一連の疑惑を調査する同県議会の「百条委員会」によれば、3月12日にこの文書を作成した告発者の職員は、翌月には公益通報窓口を頼ったという。しかし、知事はその調査結果を待たずに3ヶ月の停職処分を下し、7月7日夜にこの職員は「死をもって抗議する」などメッセージを残して死亡していた。
NEWSポストセブンが入手した告発文書は「齋藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」(原文ママ、以下同)と見出しがつけられ、知事のパワハラ疑惑をはじめ選挙における法律違反や、政治資金をめぐる違法な支出などに関する疑惑が7項目にわたり記されている。
なかでも“贈答品の山”と題された欄は1ページ近く割かれており、特定の企業との繋がりを指摘するような文言も見られた。地方紙記者が解説する。
「兵庫県は現在、『ひょうご公民連携プラットフォーム』を通して25社以上の一般企業と連携協定を結んでいる。そのなかには県内の有名企業である『アシックス』などが含まれています。前知事の時代からすでにこうした取り組み自体はありましたが、斎藤知事が就任した2021年度から急速に、仕組みを整備して、提携数を増やした。知事は特にスポーツ振興には力を入れているようで、昨年は大手自転車のメーカー『トレック・ジャパン』と新しく『スポーツ連携協定』を締結しています」