中国人民解放軍ロケット軍はこのほど、軍の調達に関し談合を行ったとして3つの大学を告発し、今後3年間にわたって軍の調達プロセスに参加することを禁止する決定を下した。
ロケット軍では昨年から同軍出身の李尚福・前国防相ら多くの高官が取り調べを受けており、軍内の反腐敗キャンペーンの中心となっている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
ロケット軍が発表した声明によれば、陝西省の西安交通大学と西安理工大学、および四川省成都の西南交通大学は、今年8月から2027年8月16日まで、軍関係の取引への参加を禁止された。
この3大学はいずれも軍傘下の大学であることが知られており、不正な談合があったとみられる。
西安交通大学は、国家国防科学技術工業局「技術革新の拠点」に指定されている。
西安理工大学は、1986年まで中国の防衛産業を管理していた兵器工業部傘下の7つの大学のうちの1つ。同大学は防衛を専攻する複数のコースを提供しているほか、1000件以上の研究プロジェクトが軍や関連機関などから委託されている。
西南交通大学は軍系大学として、航空・宇宙研究を専門としており、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの研究も担っている。
同時にこれら大学の代表者が運営に関わる他の企業も、その期間中は調達活動を禁止される。
中国共産党は7月、ロケット部隊参謀長だった孫金明中将の党籍はく奪を発表しており、ロケット軍では昨年以来、少なくとも7人の元または現役の軍高官が汚職で取り調べを受けている。
ロケット軍は中国の核兵器と弾道ミサイルを管理する中核部隊であり、習近平指導部としてもその綱紀粛正は喫緊の課題といえよう。