数多のパワハラ疑惑が取り沙汰されている兵庫県・斎藤元彦知事。県議会が運営する「百条委員会」は現在も続いている。5日午前に行われた「百条委員会」では、元局長の告発を公益通報として受理しなかったことについて、関係者への聞き取りが行われた。参考人として出席した公益通報の専門家・上智大学の奥山俊宏教授は「まるで独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図」と指摘している。現時点で、斎藤知事本人は「もっといい知事として」と“続投”を表明している。
知事をめぐっては9月4日に、幹部職員とのチャットおよそ2000件が深夜・休日などの業務時間外に送信されていたことも報じられている。さらに職員には「即レス」を求めるなど、パワハラ疑惑を告発する文書にも同様の記述があったとして、「百条委員会」が調査している。
斎藤知事の“仕事体質”をめぐっては、今回の騒動以前から、知事の公式X(旧Twitter)でその片鱗が見受けられていた。
〈ただ乗り心地が良いだけの公用車は必要ありません。リモートモバイルの時代、今やリーダーはいつでもどこでも仕事する必要があります〉
〈ワークライフバランスを考え、移動時間やすき間時間を活用し、日中しっかり仕事をすることが第一。大切なのはその機能性です。公用車センチュリーは即廃止します〉
これは、2021年4月29日の斎藤知事のポストだ。車の助手席に座り、膝に乗せたノートパソコンを開いている自身の写真とともに、上の文章を投稿していた。全国紙記者が語る。
「ストイックな斎藤知事らしい発信ですが、仕事を優先しようとするあまり、いつしか〈ワークライフバランスを考え〉という点を忘れ、業務時間外だろうとお構いなしに職員へ連絡していたのかもしれません」
また、同ポストで〈センチュリーは即廃止〉と宣言していた斎藤知事。車移動中の過ごし方にもこだわりがあったようだが、「百条委員会」が職員を対象に行ったアンケートでは、「車内でのパワハラ疑惑」の声が多く寄せられていた。〈公用車で移動中、後部座席からカーナビを覗き込んだ斎藤知事が、到着予定時刻が遅れそうになると同乗者を叱責し、助手席シートを後ろから蹴ったと聞いた〉という回答もあった。