国際情報

毛沢東主席が跪く姿の彫刻などを制作した美術家、中国に一時帰国した際に逮捕される 容疑は「英雄烈士保護法」違反

逮捕の理由は毛氏の名誉を著しく侮辱したためだという

逮捕の理由は毛氏の名誉を著しく侮辱したためだという

 中国当局はこのほど、中国の「建国の父」とされる毛沢東主席を侮辱したとして、毛氏が跪いて懺悔する彫像などで知られる美術家の高シン(「先」を横に2つ並べる=68)、高強(62)兄弟のうち、兄の高シン氏を河北省の自宅で逮捕した。

 逮捕容疑は「英雄烈士保護法」違反で、兄弟の作品が毛氏の名誉を著しく侮辱したためだという。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 高氏兄弟のフェイスブックへの投稿によると、警察は8月26日午前9時ごろ、兄弟のアトリエ兼住居に突入し、その場にいた高シン氏を拘束し連行した。

 他の警察官が自宅を捜索し、同氏の妻を数時間にわたって尋問したほか、アトリエなどにあった毛沢東に関連する書籍やパソコン類、彫刻などの作品を押収したという。

 高氏兄弟はこれまで1年間、米国など海外に滞在していたが、この日は親戚訪問のため一時帰国していた。

 逮捕の根拠となった「英雄烈士保護法」は2018年4月に成立しており、共産党の革命的英雄や殉教者を侮辱するような行為を犯罪とするものである。

 高氏兄弟は政治風刺の作品で世界的に有名だが、特に毛氏を風刺した作品がよく知られている。

 高氏兄弟は9月初めに東京経由でニューヨークに行く飛行便を予約していたといい、出国まで数日しかなったため、警察当局はこの機を逃すまいと逮捕に踏み切ったようだ。当局は同容疑で逮捕した事例をこれまで発表していないが、こうした事案で逮捕されるのは2例目とみられる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

幕内優勝力士に贈られる福島県知事賞で米1トンが
「令和のコメ不足」の最中でも“優勝したら米1トン”! 大相撲優勝力士に贈られる副賞のコメが消費される驚異のスピード
NEWSポストセブン
愛子さま
愛子さま、日赤への“出社”にこだわる背景に“悠仁さまへの配慮” 「将来の天皇」をめぐって不必要に比較されることを避けたい意向か
女性セブン
「学園祭の女王」の異名を取った田中美奈子(写真/ロケットパンチ)
田中美奈子が語る“学園祭の女王”時代 東大生の印象について「コミュニケーションスキルが高く、キラキラ輝いていた」
週刊ポスト
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン
目覚ましテレビの人気コーナー「きょうのわんこ」(HPより)
『めざましテレビ』名物コーナー「きょうのわんこ」出演犬が“撮影後に謎の急死”のSNS投稿が拡散 疑問の声や誹謗中傷が飛び交う事態に
女性セブン
シャトレーゼのケーキを提供している疑惑のカフェ(シャトレーゼHPより)
【無許可でケーキを提供か】疑惑の京都人気観光地のカフェ、中国人系オーナーが運営か シャトレーゼ側は「弊社のブランドを著しく傷つける」とコメント 内偵調査経て「弊社の製品で間違いない」
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝『旅サラダ』残り2週間》謹慎中のKAT-TUN中丸雄一、番組復帰の予定なしで「卒業回出演ピンチ」レギュラー降板の危機も
NEWSポストセブン
小泉進次郎氏・滝川クリステル夫妻の出産祝いが永田町で話題
小泉進次郎夫妻のベテラン議員への“出産祝い”が永田町で話題 中身は「長男が着ていたとみられるベビー服や使用感のあるよだれかけ」、フランス流のエコな発想か
女性セブン
稽古は2部制。午前中は器具を使って敏捷性などを鍛える瞬発系トレーニングを行なう。将来的には専任コーチをつけたいという
元関脇・嘉風の中村親方、角界の慣習にとらわれない部屋運営と指導法 笑い声が飛び交う稽古は週休2日制「親方の威厳で縛らず、信頼で縛りたい」
週刊ポスト
柏木由紀と交際中のすがちゃん最高No. 1
《柏木由紀の熱愛相手》「小学生から父親のナンパアシスト」すがちゃん最高No.1“チャラ男の壮絶すぎる半生”
NEWSポストセブン
今年8月で分裂抗争10年目を迎える。写真は六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「宅配業者を装って射殺」六代目山口組弘道会が池田組に銃口を向けた背景 「ラーメン組長」射殺事件の復讐か
NEWSポストセブン
小泉進次郎元環境相と妻の滝川クリステルさん(時事通信フォト)
滝川クリステルの旧習にとらわれない姿勢 選挙区の横須賀では「一度も顔を見せないのはどうか」の声、小泉進次郎氏は「それぞれの人間性を大事にしていきたい」
女性セブン