「今まで楽しくやってきたし、働く必要もないですね」──NEWSポストセブンの取材にそう語るのは、芸能界でナレーターや俳優として功績を残してきた森本レオ(81)。近年はメディアで見かける機会が減っていた森本だが、本人によると故郷の名古屋で暮らす家族とも離れ、東京・高円寺で悠々自適な老後生活を送っていうという。そんな森本に役者業から遠ざかっている理由、現在の暮らし、余生について尋ねると、「僕は不摂生な生活をしてたからね……」という激動の半生を語り始めた──。【前後編の後編。前編を読む】
──家族と離れてまで高円寺に住み続ける理由は何ですか?
「僕に合う食べ物が名古屋にないんですよ。今は、舌がもう高円寺の舌になっちゃってるから、名古屋飯は3日もたないです。寿司にトンカツ、朝ごはんは『やよい軒』、『目利きの銀次』もいい。若い頃は魚を全然食わなかったんですけど、『桃太郎すし』とかで寿司を食べるようになりました。あとは、うなぎ定食にとろろを乗っけて、更にキムチ足して混ぜて、青汁ドレッシングをかける。そうすると本当に美味しいんです」
──豪快な食生活ですね。とても80代には思えないです。
「30歳で東京に出て来てからもう81歳ですからね。昔の高円寺の友達は出世して六本木かどこかに引っ越して行ってしまったけど、そういう連中はみんな死んでる。僕はあまりに不摂生な生活をしてたから『一番先に死ぬ』って、仲間うちでは言われてたんです。
朝から仕事があるときに限って朝6時まで徹夜で麻雀をやりました。なので1時間しか眠れなくて遅刻が多かった。TBSの助監督が自分の遅刻癖のせいでクビになったってことで、流石に懲りて仕事前の徹マンは辞めました」
──まるで独身のような一人暮らしですが、最近はどんな生活をしていますか。
「男は悲しいですね〜。金を稼ぐ以外に認められる術がない。60歳過ぎたら人間あまり働からない方がいいって言われてますが、70歳過ぎて大病してから仕事も少なくなって、今の収入は『Qさま!!』のナレーションなど、生活に困らない程度の仕事はいただいてます。この前、CMの仕事があったから、そういうのが口座に入ってるんじゃないかな。どの道、稼いでも取り合いで喧嘩になっちゃうから、上手に使い切って死んでいくのが良いかなと思うんですけど。本当に運が良いです」