9月6日の記者会見で、「早期解散」「聖域なき規制改革」などをぶち上げ、総裁選への出馬を表明した小泉進次郎・元環境相(43)。その進次郎氏の選挙対策本部で事務局長を務めているとされるのが自民党若手の有望株、小倉將信・自民党副幹事長(43)だ。
進次郎氏の党青年局長時代に局次長として支えて以来、小倉氏は社会保障政策や裏金問題の党改革で苦楽をともにしてきた。いわば進次郎氏の“相棒”だ。今年7月には一緒に陸上自衛隊高等工科学校を視察するなど、行動を伴にすることが多く、「進次郎氏が最も頼りにする政治家の1人であることは間違いない」(若手議員)とみられている。
小倉氏は2022年に当選4回で岸田内閣のこども担当相に抜擢されると、児童手当増額や育児休業の拡充など「異次元の少子化対策」の推進役として脚光を浴び、相次ぐ通園バス内での園児の置き去り事故を受けて素早く送迎バスへの安全装置の設置を義務化するなどした。
そんな小倉氏の政治資金に目を向けると、実は18歳未満の子供が入場・入店できない業界からの支援が目立つ。
小倉氏の政党支部(自民党東京都第二十三選挙区支部)の政治資金収支報告書には、2021年にパチスロの業界団体「回胴式遊技機商業協同組合」やパチンコ・パチスロ業者など6団体から計210万円、ラブホテル団体「日本レジャーホテル協会」とラブホ業者1社から計50万円の献金が記載されていた。小倉氏には、パチンコの換金法制化を求める“パチンコ議連”こと自民党遊技産業議連の事務局長を務めた経歴もある。
献金のあった2021年はコロナ感染拡大の時期。パチンコ店などは営業時間短縮に応じても協力金の対象外で、ラブホ業界も売り上げが大幅に下がりながら持続化給付金などの対象外とされた。
日本レジャーホテル協会のホームページを見ると、〈(2020年)4月14日に、小倉將信代議士を通じて自由民主党二階幹事長へ陳情して参りました〉と報告されており、苦しい時期に同業界を助けるため、党への陳情窓口を担ったこともわかる。
小倉氏がこども担当相に就任したのは、その後の2022年8月のことだ。パチンコ業界では、業界団体が児童虐待防止のオレンジリボン運動に協力するなど若者支援にも取り組んでいるが、そうした縁などがあるのだろうか。小倉事務所にこれらの業界との関係、献金の経緯について質問すると、こう文書回答した。
「様々な企業や団体から広くご奉仕の申し出をいただきながら政治活動を行っておりますが、いずれも政治資金規正法上適切に処理いたしております。弊事務所では、頂戴しましたご寄付は、全て政治資金規正法に則り適切に処理しております」
“おとなの世界”にも理解ある政治家のようだ。
※週刊ポスト2024年9月20・27日号