北朝鮮では治安当局の命令で、カラオケセットを設置しているレストランを閉鎖させていることが明らかになった。カラオケは「資本主義の温床」であり、「腐った西洋文化」だとの理由だが、娯楽が少ない北朝鮮の市民の間に衝撃が走っているという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。
今回の措置は、料理や酒類を楽しんで、歌を歌ったり、踊ったりするのはアメリカの傀儡である韓国の文化であり、資本主義の温床だとして、カラオケセットを設置しているレストランは8月中に閉店しなければならないというものだった。
レストラン側がカラオケセットを撤去すれば、営業は認められるというものではなく、閉鎖を命じられたレストランは今後、営業はできなくなるという厳しい措置だという。
北朝鮮では、もともと韓国の音楽を聴いたり、映画やテレビ番組を見たりすることが禁止されているため、北朝鮮のカラオケセットには北朝鮮の歌しか入っていない。それにもかかわらず、みんなで一緒に歌うことが許される数少ない娯楽の一つがなくなってしまうことに衝撃を受けた北朝鮮市民は少なくないという。
今回の措置に至ったのは、勤労奉仕のために政府の建設プロジェクトに動員された市民が仕事をさぼってカラオケレストランで遊んでいた事件に関連しているといわれる。
北朝鮮では最近、カラオケだけでなく、これまで視聴が許されていた中国の映画やテレビ番組も「不純な文化」に指定され、視聴が禁止されており、これらの措置は金正恩朝鮮労働党総書記を始め北朝鮮首脳部が外国の影響が流入することにさらに神経質になっていることを示しているようだ。