放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、とっさに集まった立川流の面々について綴る。
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5000人ものお客様が集まった国際フォーラムでの私のラジオ番組35周年イベント。局の垣根を越えてゲストに駆けつけてくれた爆笑問題、宮藤官九郎、サンドウィッチマン、神田伯山、純烈。レギュラーメンバーも目一杯いるのでいっぱい、いっぱい。仕方なく「立川流三人男」志の輔、談春、志らく、そして日芸後輩の一之輔にはお祝いにコメントのVTR出演のみ。
後日、穴埋めにとラジオのスタジオゲストに来てもらうことに。8月26日は「文夫の部屋」として談春とトーク。番組終わりに談笑があいさつに。11月6日の「談笑の会」に私がゲストで出るのだ。
ついでに手土産と出来のいい弟子吉笑を連れて来た。来春真打昇進が決まったという。何かを察知したのか別のスタジオで収録していた晴の輔(『笑点』)が飛んで来た。談春が「せっかくだから写真撮ろう。おいっ志らら(立川流社団法人化に奔走)お前も入れよ」でカシャリ。ここはニッポン放送、立川流の本部じゃないんだから。それにしてもよく咄嗟にこれだけ集まった。あたりを見渡したが談志と左談次(悪友)の姿は無かった。ちょっと寂しい。
この前の週徳光和夫さんの番組に松本明子が呼ばれた。「来週のゲストは誰なの?」ときかれ松本「談春師と志らく師と一之輔師です」。きいた徳さん「クゥ~ッいいところ押さえてるねぇ。高田センセーに言っといて。柳家三三もよろしくと」。落語通でもある徳光さん。10年前に私が教えた「東京かわら版」(コンパクトな落語版の「ぴあ」)を片手に今日も寄席をうろうろ。客席ではバスのように眠らないらしい。
『笑点』に大革命が起きた。8月25日の演芸コーナーになっなっなんとあの「役者の柳沢慎吾」が出て十八番「甲子園」。あまりの新鮮さに客席大爆笑。演芸人以外を出すと色々と言う人もあろうがなにしろ面白かったのだ。別に問題はない。昔の『笑点』なんて作家やら野球人やらいっぱい出てた。度胸のあるプロデューサーにザブトン一枚。
ついでに書かせてもらうと志の輔の弟子である志の八と志の春の会(10月22日)にも私がゲスト出演します。私と一度も喋ったことのない弟子達が初めて舞台上で私とからみます。スリリングな一夜だ。もうひとつついでに一之輔の本『落語の人、春風亭一之輔』(集英社新書)がふてぶてしくて面白い。
※週刊ポスト2024年9月20・27日号