芸能

【吉本新喜劇65周年】オール巨人が語る師匠・岡八郎「代表作コント『熱燗』を阪神君といつか一緒にやりたい」

師匠・岡八郎と喜劇人たちの気概について語るオール巨人

師匠・岡八郎と喜劇人たちの気概について語るオール巨人

 現在、65周年を記念する全国ツアーを開催中の吉本新喜劇には、かつて黄金時代を築いた岡八郎というスターがいた。岡八郎の弟子であるオール巨人が、師匠・岡八郎と喜劇人たちの気概について語る。

 * * *
 昔の喜劇人たちは、ものすごくプライドを持っていたと思います。今の喜劇人が持ってないと言っているわけではないですよ。ただ、師匠たちには、役者や歌手より下だとかいう意識はまったくなかったと思うんです。

 僕は1974年、吉本新喜劇の岡八郎師匠(後に八朗)のもとに弟子入りしました。当時、岡八郎と花紀京と言えば、吉本の2大スターでした。僕は翌年にオール阪神・巨人としてデビューしたので、修業期間は実質的には9か月ほどでしたが、とても濃密な時間を過ごさせてもらいました。

 ある日、京都祇園のクラブで師匠と飲んでるとき、映画スターの勝新太郎さんが入ってきたことがあるんです。そうしたら「勝新太郎さんからです」といって高級ウイスキーのボトルがテーブルに届けられました。すると師匠は「ママ、悪いけど同じもの返しといて」って。しびれましたね。

 たとえば、今の吉本新喜劇の座長が京都で飲んでいて、渡辺謙さんからボトルをいただいたとしましょうよ。そうしたら、お礼を言いに行っちゃうと思うんですよ。僕でもそうします。だって「返しといて」って、ケンカを売りにいっているようなものでしょう? そんな義理はないと人の好意を突っぱねているわけですから。でも当時のスター芸人たちはそれくらいの気概がありました。

 八郎師匠は身なりもちゃんとしてはって。質のいいスーツを着て、いい革の靴を履いていました。腕時計もロレックスやったなぁ。金払いもよくてね。みんなを引き連れて飲みに行くと、僕が財布を預かるんです。いつも30万くらいは入っていたと思います。今の100万くらいの価値はあったと思いますよ。

 あと、内緒ですが、師匠には愛人がいたんです。彼女を自宅に連れて行き、奥さんにも紹介するんです。「俺が今、付きおうてる女や」と。奥さんもすごく出来た人で「面倒みたってください」って言うわけです。内心はどう思っていたかわかりませんよ。でも、芸人の妻はそういうものやと思っていて、僕も結婚するとき、嫁に「おれは浮気はすると思うで」と言ったんです。そのときは「わかりました」と認めてくれたんですけど、実際に結婚してからは、許されませんでしたね(泣)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《追加生産決まる人気ぶり》佳子さまがブラジル訪問で神戸発ブランドのエレガントなワンピースをご着用 ブラジルとの“縁”を意識されたか
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンを食べようとしたらウジ虫が…》「来来亭」の異物混入騒動、専門家は“ニクバエ”と推察「チャーシューなどの動物性食材に惹かれやすい」
NEWSポストセブン
「ONK座談会」2002年開催時(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 長嶋一茂のヤクルト入りにカネやんが切り込む「なんで巨人は指名しなかったのよ。王、理由をいえ!」
週刊ポスト
タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン