いきなり男性の妻を名乗る女性から連絡が
一方、本来の利用目的から外れ、「不倫相手を探す」ための場となってしまっている現状も否めないという。
「『セカンドパートナー探し』などの目的を選択する男女のなかには、一夜限りの“男女の関係”になる相手を探す場として利用している人もいるとされます。ただ、『街コン』などと違って会うまでは相手のルックスが分からないことが多いようです。
既婚者専用アプリはプライバシーを大事にしているので、匿名でプロフィール写真もぼかすのが一般的です。マッチング相手を探す際は身長や体型(スリム、ぽっちゃりなど)のほか、会いやすい時間帯、会う前の写真交換の可否を訊ねることができます。『妻や夫との関係継続に関する考え』といった問いへの回答なども、相手を探す条件に指定できます」(同前)
既婚者アプリで“パートナー”に出会った48歳の男性会社員・Tさんが言う。
「子供もおらず妻とはめっきり冷めた関係になってしまい、家のなかでは息が詰まる。せめて同世代の女性と世間話がしたくて妻に内緒でコッソリ登録しました。そこで出会ったのが、40歳の人妻女性。ふっくらとした優しげな容姿で、彼女からは夫や家族の悩みを含めて、様々な話を聞いていました。
ある時、『将来の介護を考えて今年、アンダーヘアの脱毛をした』『セックスレスで夫には見せていない』という話をしたことがきっかけで、思いがけずそういう雰囲気になり、男女の関係になったんです。その後もやり取りを続けていて、彼女の子育ての愚痴などを聞いています」
しかしながら、既婚者同士の逢瀬にはリスクも伴う。既婚者アプリに登録して、様々な男性とランチに出かけていた専業主婦のHさん(38)はこんな問題に直面した。
「2つのアプリに登録していたのですが、どちらも男性側が支払う月額料金が比較的高いサイトだったので富裕層の男性が多かった。週に1回程度、そうした男性にランチをご馳走になっていました。
ですがメッセージのやり取りで、いきなり男性の妻を名乗る女性から『〇〇の妻です。今すぐ夫とのやり取りを止めない場合、弁護士を通して法的措置を取らせていただきます』という連絡がきたんです。向こうは私の素性を調べ上げているのではないかと怖くなり、それ以来、アプリの利用は控えています」
匿名アプリであるがゆえに“泣き寝入り”せざるを得ない事態に陥った人も。IT企業勤務のYさん(55)が言う。
「既婚者アプリで知り合った女性と錦糸町のバーに行ったんです。勧められてドンドン飲むうちに寝てしまい、気付いたら2時間が経過。店に女性の姿はありません。バーテンダーに『女性は何回も起こしましたが、あなたは起きませんでしたよ』と言われて。
ものすごい頭痛で這うようにして自宅に帰り、翌朝、財布のなかを見たら2万円が消えていた。相手の居場所も本名も分からないまま、音信不通状態に。後ろめたさもあり、今回、初めて人に話しました」
甘い誘惑にのめり込むと痛い目をみることもありそうだ。
※週刊ポスト2024年10月4日号