始球式の投球は空振りするという慣例
日本最古の「始球式」は1908年、戸塚球場で行なわれたアメリカの大リーグ選抜チームと早稲田大学野球部との対戦での早大総長・大隈重信による一球だった。打席に入った早稲田の一番打者は、総長に敬意を払い、大隈の大暴投をとっさに空振りしてストライクに。以降、始球式の投球は空振りするという慣例が定着したという。
1990年代に入ってからはアイドルによる登板が急増。きっかけは1992年の巨人─阪神戦に宮沢りえが起用されたこと。大人気アイドルの登場は大きな話題となった。巨人は翌年から中山美穂、西田ひかるらを起用し、以降は他球団へもこの風潮は波及。アイドルによる始球式が定着していった。今では、俳優、女性アナ、アスリートから政治家まで「時代を彩る旬な女性」へと広がる。
ゲストの投球自体も注目されるように。彼女らは自主練習を重ね、ノーバウンドを達成する女性ゲストも珍しくない。
優勝争いの行方とともに、彼女たちの活躍にも注目だ。
取材・文/上田千春、城川佳子
※週刊ポスト2024年10月4日号