『十津川警部シリーズ』(TBS系)の十津川警部役もやりましたから、『赤い霊柩車』と合わせて全国あちこち行って、旅はもうお腹いっぱいになりました。ロケ現場というのはよほど綺麗なところか、汚いところか、の2つなんですよ。『赤い霊柩車』のチームワークはよかったと思います。いろんなタイプの役者がいて、贅沢な現場でした。神田(正輝)クンが演じた、あっこさんの相手役の黒沢春彦役は、最初は別の俳優が演じていたんですよ。美木良介クン、その次が国広富之クンでした。
代わったのはプロデューサーのイメージと違ったからなのかもしれない。神田クンになってようやく役が落ち着きました。神田クンは台本通りにきちんと演じる役者ですね。性格はおとなしくて、わりかし几帳面だと思います。博識でいつも蘊蓄(うんちく)をあれこれ披露するもんだから、なぎちゃん(片平なぎさ)が「また出た」なんてからかっていました(笑)。
神田クンとは京都で撮影のときに、街へ何度か飲みに出ました。私は飲めないから、グラスに注いでいで話しているだけですけど、神田クンはビールやワインを飲んでたかな。彼は紳士だから上品な酒でしたね。まあ、彼の所属事務所・石原プロの人も一緒だったから、あまり腹を割って話したり、バカ話をしたり、乱れたりするわけにもいかなかったのでしょう。