9月27日に自民党総裁選が終わり、永田町の住人たちは早くも「解散・総選挙」シフトの様相だ。しかし、自民党の「顔」が石破茂・新総裁に代わったことに騙されてはいけない。「裏金問題」や「旧統一教会問題」は全容解明にはほど遠い状況で、頬被りをしたまま次の選挙に臨もうとする候補者が大勢いるのだ。前編では裏金議員をリストアップしたが、後編では旧統一教会の“蜜月議員”をチェックする。【前後編の後編。前編から読む】
説明を拒み続けた義委員たち
裏金問題の次は旧統一教会問題だ。
「自民党議員は様々なやり方で教団と接点を持ってきた。問題点や疑惑を指摘された政治家は関係を包み隠さず明らかにして説明責任を果たしたうえで、有権者の投票判断を仰ぐべきです」
ジャーナリストの鈴木エイト氏はそう語ったうえで、教団との強い結びつきがある議員たちの行動を指摘した。
その基準は、「教団の政治への関与」「教団イベントへの協力」の面で教団への貢献度が高い政治家と、選挙で教団に依存しており、教団の影響力を強く受けていると見られる政治家たちだ。
●ズブズブの“代理人”
自民党で旧統一教会の“代理人”的な行動をしていたのが萩生田光一・前政調会長だ。2022年の参院選では、自民党が東京選挙区に擁立した新人候補・生稲晃子氏を連れて教団施設を訪問。信者の激励を受けるなど、新人候補と教団の橋渡し役を担っている。
それだけではない。朝日新聞がスクープした、2013年の参院選前に当時の安倍晋三・首相と旧統一教会の会長が自民党総裁室で面談した時の集合写真にも、萩生田氏は、安倍氏の実弟・岸信夫氏とともに写っていた。
鈴木氏は本誌・週刊ポスト前号で、萩生田氏が教団と安倍・岸家を取り持つ、「つなぎ役」だった可能性を指摘したが、萩生田氏は「事実ではありません」と否定している。鈴木氏が改めて語る。
「萩生田氏はほかにも教団との数多くの接点が指摘されてきた。今回、教団の政界工作について重要な新情報が出てきたのに自民党は再調査しないし、総裁候補9人もダンマリを決め込んだ。疑惑にフタをしようとしているとしか思えない。萩生田氏にはあの会談でどんな話し合いがなされたのか説明する責任がある」
土井亨・元国土交通副大臣は旧統一教会が2021年に開催した礼拝行事にビデオメッセージを送り、韓鶴子総裁を「真のお母様」と呼んで礼賛。教団系団体が創設した議員連盟「日本・世界平和議員連合懇談会」の幹事にも就任した。
「韓鶴子総裁をあれほど礼賛するとは衝撃的でした。教団から政界での活動を期待され、関係性は相当深いと考えられる」(鈴木氏)