ファンにとって“待望の瞬間”が訪れた。女子プロゴルフツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」(9月22日最終日)で、安田祐香(23)が初優勝を飾った。安田は米国で活躍する古江彩佳(24)や西村優菜(24)らと同じ2000年度生まれの「ミレニアム世代」の1人。関係者が口を揃えるのは、「(優勝に)5年もかかると思っていなかった」ということだ。
「高校時代は世代ナンバーワンでしたから。2019年にアジア最強の女子アマチュアを決める『アジアパシフィック女子アマ』で優勝。ゴルフの聖地・オーガスタ・ナショナルGCで開催された『オーガスタ女子アマ』に日本人で唯一出場し、3位に入る健闘を見せた。その秋のプロテストで一発合格し、将来を嘱望されていた」(ゴルフ担当記者)
だが、プロの世界で先に台頭したのは同期の古江や西村、吉田優利(24)だった。3人とも小柄な選手。安田は163cmだが、細身ゆえ「体幹」に課題があった。プロゴルファーの沼沢聖一氏が言う。
「プロの過密スケジュールからか首をケガしたり、試合後半にスイングが乱れることが多かった。本人もそれを克服するために昨年あたりから下半身の強化に努めたそうです。身体作りに真剣に向き合ったことで今年は軸がしっかりしていて、かなり改善したように見えた」
今回の優勝は雨天の影響で1.5ラウンドに試合が短縮された。
「体力面ではラッキーな面もあったが、優勝は優勝です。今後は自信を持って戦えるでしょう。残りの試合でのさらなる活躍に期待です」(同前)
遅咲きエースの巻き返しに期待だ。
※週刊ポスト2024年10月11日号