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「プロテイン」人気、バーやパウチゼリーからコスパや味の豊富さでシフト、タンパク質ブームを経て堅実なニーズ、富士経済が調査結果を報告

プロテインが人気(hanasaki/イメージマート)

プロテインが人気(hanasaki/イメージマート)

 美容や健康に欠かせない栄養素として、タンパク質を含んだ食品やサプリメントの人気が高まっている。富士経済が2024年9月に調査結果を報告した。

タンパク質の美容効果とは?

 タンパク質は、肌や髪、爪などの健康を支える基本的な栄養素で、美容効果が期待される成分として注目されている。コラーゲンやケラチンといった皮膚や髪を構成する成分は、いずれもタンパク質から生成される。これらは肌の弾力や髪、爪を美しく保つ。タンパク質の摂取は筋肉の維持や発達にとっても重要だ。基礎代謝を高め、健康的で引き締まった体型を作り上げるのに必要になる。さらに、こうした美容効果は、ただ見た目を整えるだけでなく、体全体の健康を支える役割も果たす。

 富士経済によると、2015年にタンパク質の重要性が発信されて、タンパク質補給のブームにつながった。筋トレ流行やインフルエンサーの影響もあり、さまざまな品目が人気になった。2022年以降、ブームは落ち着いたものの、引き続きタンパク質の堅実なニーズが保たれている。調査によると、2023年のプロテイン市場は前年比7.6%増の2687億円と堅調な成長を続けている。2024年も前年比2.8%増の2763億円に達する見込み。

安定した市場成長とプロテイン需要の拡大

 注目されるのは、「プロテイン」の人気が特に高まっていることだ。タンパク質を効率的に摂取できる粉末状の製品だ。2023年には前年比7.6%増の1190億円、2024年にはさらに8.6%増の1292億円が予測されている。

 背景には、タンパク質に関心を持った人たちがプロテインバーやパウチゼリーを使っていたが、よりコスパの高い、味のバリエーションも豊富なプロテインに流れてきているという動きがある。

 富士経済の以前の調査によると、筋肉サポートや脂肪対策を目的としたサプリメントが人気を高めていた。こうした流れの中で基本的な栄養素に注目が集まっている可能性がある。体に必要な栄養素を補うことで、長期的に健康を保つことができるという考え方だ。プロテインの人気も、美容と健康の双方に有効であることが関連している可能性がある。

 そう考えると、プロテインをはじめコスパの良い栄養食品の人気はもっと高まりそうだ。

参考文献

プロテインなどのタンパク補給食品市場を調査

美容目的のサプリメントに変調あり、美容から健康へのシフト?富士経済の調査

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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