国内

六代目山口組の機関紙『山口組新報』、自虐ネタが消え〈物価高 嫁のやりくり ブッダかな〉〈値上げだと? 家の家計 音を上げる〉と経済苦を嘆く

指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)

指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、六代目山口組の機関紙「山口組新報」最新号掲載の川柳から考える、時代の変化について。

 * * *
 その日、新横浜駅に降り立った六代目山口組組長、司忍は、黒のスーツにピンクのネクタイを締めていた。黒のスーツだったのはこの日、横浜市郊外で山口組直参の四代目益田組の総裁、山嵜昌之の葬儀が営まれていたからだ。司組長は葬儀に参列するため、黒いスーツに黒いネクタイ姿の子分らを従えながら颯爽と新横浜駅を後にした。黒のスーツに黒のネクタイ姿を想像しながら、カメラを手に待ち構えていた記者らは、司組長のネクタイの色に驚かされたことだろう。

 司組長にはスタイリストがついていると聞く。スタイリストはプロのスタイリストではなく、部屋住みの若い組員や組長の周りにいる若手幹部が担っているらしい。外出に使うワンボックスには、状況に対応できるよう一通りの衣装が備えてあるとも聞く。黒にピンクはよく映える。ピンクが選ばれたのは、メディアに写真が載ることを意識してのことだろうか。

 横浜市内の斎場には司組長や高山清司若頭、稲川会の内堀和也会長など大物ヤクザが勢ぞろいした。亡くなった山嵜総裁は享年61。六代目山口組直参組長や幹部らの中ではまだ若く、葬儀に参列した大物ヤクザたちの方が年配者だった。山口組関係者は、「プラチナとよばれる直参の中で50、60代の幹部らはまだまだ若造。組長らはみんなかくしゃくとして元気です」と話す。だがやはり老いには抗えないらしく、「寄れば健康や病気の話ですね」という。

 ここ数年、『山口組新報』には健康に関する句が毎号、4~5句選ばれて掲載されている。新しく出た31号の川柳にも〈鰻食べ うなぎ上りや 血糖値〉や、〈糖尿の ことも忘れて ビール飲む〉という生活習慣病を心配する句が載っていた。高齢化が進んでいるといわれる六代目山口組だけに、生活習慣病を気にしなければならない組員も多いのだろう。〈元気かと 再会喜び 病院で〉と笑えない句もあれば、〈ダイエット 明日になっても 明日から〉〈つい撫でる 腹の膨らみ 体重計〉という句もある。ヤクザといえば高級料理をたらふく食べ、高い酒を惜しげもなく注文し、浴びるほど飲むというイメージがあったものだが、今の時代、ヤクザも健康志向になってきたようだ。

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン