見た目はとびきり有能に見えて、中身は衝撃的なまでの無能──。10月11日スタート『無能の鷹』(テレビ朝日系)の主人公・鷹野ツメ子は、これまでにない新しいタイプのヒロインだ。主演は、数々のドラマで印象的な役を演じてきた菜々緒だ。
スタイル抜群のクールビューティーだけに、主人公の放つ有能オーラはすでに貫録十分。むしろ「実はポンコツ」というギャップがある今作の設定をどう演じるのかが楽しみだ。このキャスティングには同名の原作コミック『無能の鷹』ファンも喝采の声をあげた。
「鷹野はおそらく最終回まで少しも成長しないし、何も変わらない。それでも自分を偽ったり、取り繕ったりせず、ありのままで生きる姿は、これまでのドラマにない斬新さで清々しくて、素敵だと思うんです」(菜々緒・以下同)
すべてにおいてパーフェクトなイメージのある彼女にも、どうしてもできない不得手なことがあるという。
「見ている人がドン引きするくらい、足が遅いんです(笑)。運動神経が良いと思われがちなんですけど、その辺のギャップは、鷹野も私も同類かもしれませんね」
自分に厳しく、完璧主義なところに息苦しさを感じていた彼女は、一も二もなくオファーを引き受けたという。すべてを肯定的に捉える鷹野に自身を重ねた、これまでにない、「新しい菜々緒」の演じる姿に注目だ。
【プロフィール】
菜々緒(ななお)/1988年生まれ、埼玉県出身。ドラマ・映画・CM等で幅広く活躍中。最近の主な出演作は、主演を務めたドラマ 『忍者に結婚は難しい』(フジテレビ系)、劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、映画『怪物の木こり』など。今年8月にNANAO OFFICIAL FANCLUBを開設。
取材・文/小野雅彦 撮影/江森康之
※週刊ポスト2024年10月18・25日号