【密着】内野聖陽が挑戦する“ほぼ一人芝居”『芭蕉通夜舟』「難しい役であるうえ、逃げ場がない。緊張感は複数人でする芝居の比じゃないです」

井上ひさし作の“ほぼ一人芝居”に挑む内野聖陽

雪隠（せっちん）にこもる芭蕉は切れ痔による苦痛に顔をゆがめ、創作の行き詰まりを吐露する。内野の表情が見どころ

「わび」に徹して句を作り、芭蕉は俳諧の革新をはかろうとする。文台に向かって筆を動かしていた芭蕉が顔を上げ、月を見上げて一人侘びる。内野を朗唱役の4人が囲む

表現の方向性を演出家と丁寧にすり合わせ、細部まで意見を交わす

台本に書き込みをする。「この戯曲は芭蕉さんを調べ尽くしたうえで、ひさしさん一流の軽妙さで描かれている。ひさしさんの言う『ふかいことをゆかいに』を表現するのは難しいですね」

自宅では就寝前まで書斎で台本を読み、寝付きが悪くなる悩みを抱える

芝居に臨む勝負期間の内野は徹底した役作りに燃えていた