国内

【現地発ルポ“斎藤前知事現象”】増殖中の支持者に共通する「メディア不信」「大多数がSNSで情報収集」 本人も告白「応援が増えているのは実感しています」

失職直後から駅前での辻立ちを始めていた斎藤前知事。取材当日は100人近くの人だかりが

失職直後から駅前での辻立ちを始めていた斎藤前知事。取材当日は100人近くの人だかりが

 知事による「パワハラ」や「おねだり」など様々な疑惑の告発文書で大きく揺れた兵庫県政。11月17日に出直し知事選の投開票を迎えるが、現地では意外な風が吹いていた。ジャーナリスト・赤石晋一郎氏がレポートする。

 * * *
 目を疑うような光景だった。

 10月11日早朝、兵庫県神戸市の三宮駅前には100人近くの人だかりができていた。中心には、ピンと伸びた背筋のまま頭を下げる斎藤元彦・前兵庫県知事の姿があった。

「斎藤さん頑張って!」
「斎藤さ~~ん!」

 嬌声があがり、拍手が沸き起こる。一緒に写真を撮るための列を作り、色紙にサインをもらい、手紙を渡す人もいた。

 斎藤氏は「鋼のメンタル」「鉄面皮」と呼ばれ、全県議86人からNOを突き付けられて失職したばかりの人物である。悪役が悲劇のヒーローに転生したような錯覚すら覚える光景なのだ。

「テレビは酷くて涙が出る」

 斎藤氏を巡る報道は日本中を席巻した。

「問題の発火点は西播磨県民局長が作成したパワハラなどを告発した文書だった。内部調査で県民局長は解任され、百条委員会前に自死した。告発者の調査を指示し、文書を『嘘八百』『誹謗中傷』と公言した斎藤氏は批判にさらされることになった」(社会部記者)

 在阪テレビは斎藤氏を「おねだり知事」と命名、パワハラ疑惑、おねだり疑惑が連日報じられた。兵庫県議会は不信任決議を突き付け、斎藤氏は9月30日付で失職した。

 だが、斎藤氏は「県民の信を問いたい」と出直し県知事選への出馬を表明。失職直後から駅前での辻立ちを始めていた。

 三宮駅前に集まった人たちは女性が8割、男性が2割ほどだろうか。高校生と思しき若者の姿もある。仕事を休んで駆けつけたという30代男性はこう語った。

「政治家に興味を持ったのは初めてです。斎藤さんは、前の知事より改革をしていた。テレビ報道ですか? テレビは偏っているから見ませんね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン