30歳未満で白髪が発生する人がどれくらいの割合で確認されるのか、またその要因が何であるかが明らかになった。
サウジアラビアの研究グループが美容皮膚科誌で2024年10月9日に発表した。
若白髪はなぜ起こる?
白髪は老化の一環として誰にでも起こる現象だが、若い年代でも白髪が発生することがある。若白髪は見た目に影響を与えるだけでなく、自己評価や精神的健康にも悪影響を及ぼすことがある。
若白髪の原因として、遺伝的要因や病気、栄養不足などが考えられているが、明確には解明されていない。
今回、サウジアラビアの研究グループが、2023年7月から2024年2月にかけてサウジアラビア国内でのソーシャルメディアを通じた調査を実施した。対象は18歳以上の成人1193人。質問票で、年齢や性別などの基本的な情報のほか、生活習慣、30歳未満での若白髪の発生状況について聞いた。
喫煙、ビタミンやミネラルの不足などが影響
研究結果、若白髪が確認された人の割合が55.9%と、半数をやや上回ることが分かった。若白髪のリスクを高める要素として、喫煙、ビタミンやミネラルの栄養不足、メンタルヘルスなどが影響することが確認された。次のように要因をまとめることができる。
喫煙:喫煙者は、非喫煙者に比べて若白髪の発生リスクが高い。
栄養不足:ビタミンやミネラルの不足が、髪の色素形成に悪影響を及ぼす可能性がある。
精神的健康:精神的健康が悪化した場合、不安症やうつ病などが若白髪に影響を与える可能性がある。
家族歴:家族の中に30歳未満で白髪が確認された人がいる場合。
頭皮の状態:乾燥した頭皮の人は、白髪のリスクが高い。
脱毛症:円形脱毛症など免疫に関連した脱毛がある場合。
ヘアケア製品:ミノキシジルやローズマリーなどを使用している場合。
今回の研究は、関連を調べたものであり、因果関係がはっきりと確認されたわけではないが、若白髪の背景を考える上では重要なヒントになりそうだ。
研究グループは、美容面だけでなく、若白髪が生活習慣や健康状態の表れであることを強調。その上で、若白髪を予防するための健康対策が大切と指摘している。具体的には、栄養バランスの取れた食事、ストレス管理などに関連した対策を提案している。白髪を防ぐためには、今回確認されたリスクを高める要因に注意することが効果的である可能性がある。
参考文献
Almudimeegh AM, AlObaid SO, Albinhar TH, Alwadany MM, Alajlan AH, Alhedaithi NA, Alawadh RM, Kadasa AN, Alobaid AS, Alshathry YH, Alsalhi RH. Prevalence and Predictors of Premature Graying of Hair Before the Age of 30: A Cross-Sectional Study in Saudi Arabia. J Cosmet Dermatol. 2024 Oct 9. doi: 10.1111/jocd.16627. Epub ahead of print. PMID: 39382174.
白髪予防につながる新発見、米国ニューヨーク大学の研究グループが報告
【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。
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