警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は「トクリュウ」とつながる可能性があるSNSでのバイト募集について。
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10月2日、埼玉県所沢市の住宅街で緊縛強盗事件が起きた。被害者は所沢市の住宅に住む85歳と83歳の老夫婦。犯人の男4人は「金を出せ」と老夫婦を脅し、粘着テープで縛った上に刃物のようなもので腕を切りつけ、現金約8万円を奪った。だが犯人とみられる男たち3人は事件発生から数時間で逮捕された。この事件では警察官に追いかけられ、走って逃げる映像が公開された。
男たちは警察で「SNSを使って闇バイトに応募した」と話し、容疑を認めているという。互いに面識はなく、秘匿性の高いアプリを利用して連絡を取っていたとみられている。首都圏で高齢者を狙う金額強盗が相次いでいる。どの事件も逮捕された容疑者らは皆、「闇バイトに応募した」と話しているといい、いずれも「トクリュウ」によるものだとみられている。
トクリュウとは、匿名・流動型犯罪グループの略である。その特徴は、自分たちでグループ名を名乗っていないことだ。匿名性の高いSNSで実行役と連絡をとっているため、指示役を特定しにくくなっている。
もう1つの特徴として挙げられるのが流動性が高いことだ。闇バイトなどでその都度、実行役を集めるためメンバーが入れ替わる。特殊詐欺の実行犯として逮捕されたり、強盗事件で逮捕される容疑者のように、実行犯は使い捨てのコマでしかない。
昭和や平成初期の頃、緊縛強盗といえば日本に強盗で出稼ぎにきていた韓国人グループや中国人グループの犯行が多かった。彼らは仲間内の数人で入国し、何件が強盗しては出国して国へ戻る、を繰り返した。ほとぼりが冷めた頃を見計らって別の数人が入国、「入国時期によりメンバーが入れ替わり立ち代わりしたため、容疑者全員を特定し逮捕するのが至難だった」と、当時、緊縛強盗事件を担当していた元刑事は語る。
当初彼らは主に同郷の者を狙った。同じ民族の方が生活習慣や行動傾向が読めるからだ。次に金があるという噂のある家を狙ったという。彼らはグループのメンバーで犯罪を行っていた。「見知らぬ者を犯行グループにいれると、突発的なことに対処できない。パニックになって何をするかわからない。自分たちが捕まるリスクが高まるため、彼らは仲間のメンバーで犯行に及んでいた」(元刑事)。