歌手であり、レーシングチームのオーナーとしても活躍する近藤真彦と女優から政治家に転身し、いまや内閣府特命担当大臣となった三原じゅん子。1979年にドラマ『3年B組金八先生』で初共演を果たした2人はその後、カーレースの世界へと活動の場を広げていく──。今年還暦を迎えた2人の本音あふれる対談をお届けします!【全3回の第2回。第1回を読む】
がんになって政治家になると決意
近藤:ところで、昔から車は大好きだったの?
三原:大好き!
近藤:ぼくが先に車の世界に入って、そのあとしばらくして三原さんが車好きって知ったんだよね。あるとき、ぼくのサポートチームの人が「サーキットに三原さんが来る!」と大喜びしてて、一緒に見に行って(笑い)。一緒にレースしたこともあるよね。
三原:あの頃、女性ドライバーってほとんどいなかったから。
──三原さんの転機は2010年に参議院議員通常選挙に出馬されたことでしょうか。
三原:そうですね。きっかけは、私ががんになったからです。
〈三原は2008年3月に人間ドックを受けた際、子宮頸がんが見つかり、同年7月に摘出手術を受けている〉
三原:43才のときに子宮頸がんを患って子宮を摘出したことで、子供が産めなくなってしまって。女性にとって子供が産めないというのは、とてもつらいことですし、私と同じような思いをしている人を救いたいという気持ちが強くなったんです。病気でなくても、子供ができにくい人もいますしね。それで政治家になろうと思ったんです。政治家なら、この社会を変えられるんじゃないかと思って……。
──三原さんが出馬されたとき、近藤さんはどう思われましたか?
近藤:そりゃあ驚いたけど、絶対に議員になるなと思いましたね。だって、すごく頭がいい人だし、しっかりした考えを持っていて行動派でもあるから。
三原:私、政治の道を歩んで15年近くになるんだけど、いま思えば政治家の方が天職だったのかもしれないですね。芸能界にいるときよりもずっと自分らしくいられるし。私、芸能界には向いてなかったのかも。
近藤:そんなことはないでしょう。