「嘘」自体を楽しむフェイクドキュメンタリーの世界 意図的に仕込まれた“余白”を視聴者が考えてみんなで補完していく“共犯関係”
実際につながる電話番号も公開。“情報提供者”にはスタッフから連絡があり、番組内に反映された“情報”もあるという(写真提供/テレビ東京)
大きな反響を集めたフェイクドキュメンタリー『イシナガキクエを探しています』(2024)。写真提供/テレビ東京
イシナガキクエの存在自体も謎ならば、米原実次の死因も謎。断片的に提示される“情報”から、その余白を埋めるしかない(写真提供/テレビ東京)
『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』(2021)。写真提供/テレビ東京
タレント・金田朋子が訪れたのはとある大家族。1男5女で幸せに暮らしているようだ。大家族を題材にしたのは『放送禁止』のオマージュ(写真提供/テレビ東京)
水回りの掃除が苦手という奥様に金田朋子がコツを伝授。しかし、そこには不自然な赤い汚れが……。そして長女は父親と不自然に親密な距離感で接し、母親へ冷たい視線を送り続けるが、スタジオでVTRを見るAマッソはこれをスルー(写真提供/テレビ東京)
『テレビ放送開始69年 このテープもってないですか?』(2022)。写真提供/テレビ東京
『ミッドナイトパラダイス』内の視聴者投稿コーナーのVTRには不穏なものが映り、スタジオ出演者たちの言動もおかしくなっていく(写真提供/テレビ東京)
ついには『ミッドナイトパラダイス』を見ていたいとうや井桁弘恵まで意味不明な言動をし始め、もはや収拾不可能な事態に。井桁は何の脈絡もなく大笑いして、いとうの目が据わり始める(写真提供/テレビ東京)
『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』(2022)。写真提供/NHK
タローマンは岡本太郎の思想を反映し、決して「正義のヒーロー」ではなく「デタラメ」。最終回には地球を爆破してしまう(写真提供/NHK)
1970年代の特撮らしさを細部にまでこだわり、当時とほぼ同じ手法で撮影した。視聴者も設定に乗っかり、SNSなどで架空の思い出を発信する現象も起きた(写真提供/豪勢スタジオ)
展示「行方不明展」
「※この展示はフィクションです。」と銘打たれたイベント。遺留品や張り紙などと添えられた解説を見て回り、考察をめぐらせる趣向。約7万人が来場
ゲーム「かがみの特殊少年更生施設」架空の少年更生施設の公式ホームページから違和感を見つけ、サイト内の検索窓を駆使して隠された真相にたどり着く体験型フェイクドキュメンタリー。公開から約4か月でプレイヤー数は50万人を突破した
書籍『近畿地方のある場所について』著:背筋(KADOKAWA)行方不明になった編集者が集めていた、雑誌記事、ネットの書き込みなどをコラージュした構成。そこから怪異の全貌が浮かび上がる。累計発行部数は25万部を突破