生徒間のいじめ疑惑が報じられた東京・中野坂上にある私立学校「宝仙学園 順天堂大学系属理数インター中学校」(旧名「宝仙学園中学校 共学部理数インター」、以下「宝仙学園中学校」)だが、10月25日現在に至るまで、学校としての見解を公には発表していない。【前後編の後編。前編から読む】
しかし、実は9月中旬、宝仙学園中学校・高校の保護者を対象とした説明会を開いていた。学校関係者が語る。
「報道直後は、 “学校としての見解をホームページに掲載する”と告知されていました。しかし、保護者向け説明会では、『さらなる炎上を繰り返すことが危惧されるため、弁護士との協議のうえで、ホームページへの掲載は取りやめる』と方針を変更したことが報告されました。
説明会では、“自慰行為の強要と動画の撮影・拡散”と報じられた一連のトラブルの経緯について語られました」
取材班は、9月12日に同校で行われた高校在学生徒の保護者向け説明会の音源を入手した。Aくんは本来であれば、宝仙学園高校に進学するはずだった。中学時代にAくんと同級生だった生徒の保護者も参加していたことだろう。
学校側は、一連のトラブルをどのように捉えているのか。説明会は体育館で行われ、急な開催だったにもかかわらず、多くの保護者が集まっていた。まず校長が騒動になっていることを謝罪したうえで、説明会を開催した趣旨について以下のように語った。
〈学校の調査結果によると、行為の強要は事実ではなく、進路変更に至る経緯についても事実に反するところがあります。該当の元生徒(Aくん)のセンシティブな内容に関わるものであるため、どのようにお伝えするか学校としても非常に悩みました。
しかし、生徒に安心して学校生活を送っていただくためには、保護者の皆さまにもう少し踏み込んだご説明をする必要があると考えました〉(説明会での校長の発言)