国内

《違法行為が横行》ナンバーもヘルメットもつけない「モペット」や改造電動アシスト自転車 「スピードも出るし便利」という不届きユーザーと販売側の問題点

東京都渋谷区で警視庁が2024年7月に実施したペダル付き原付きバイク(モペット)の取り締まり。無免許運転やナンバープレート未装着など5件の違反を確認(時事通信フォト)

東京都渋谷区で警視庁が2024年7月に実施したペダル付き原付きバイク(モペット)の取り締まり。無免許運転やナンバープレート未装着など5件の違反を確認(時事通信フォト)

 自転車とバイクのいいとこ取りをした新しい乗り物として「モペット」が人気だ。この新しい乗り物は、排気量50cc以下もしくは出力600ワット以下のエンジン、もしくは電気モーターを搭載した運転免許が必要な「ペダル付き原動機付自転車」のことだ。だが、街中ではナンバーもヘルメットもない状態で走り回っている不届き者も少なくなく、たびたび取締りの様子がニュースにもなっている。ライターの宮添優氏が、それでも違法モペットライダーを続ける人たちや、違法改造で爆速疾走する電動アシスト自転車の存在についてレポートする。

 * * *
 主に都市部で高いニーズがあるとされる、近距離しか移動しないという「ちょい乗り」需要。それに応えるように、東京や大阪などの大都市では「電動キックボード」を気軽にレンタルできるようになった。だが、信号無視や一方通行の逆送、さらには飲酒運転による摘発者も相次ぎ、死亡事故まで発生。メディアでも連日大々的に取り上げられ、問題視されている。

 さらに最近、やはり都市部で目立つようになってきているのは、自転車とほとんど見分けのつかない「モペット」と呼ばれるペダルがついたフル電動自転車や、違法な改造を施した電動自転車の利用者による危険な運転だ。普段は主に東京の渋谷や新宿近辺を走っているという現役のタクシー運転手の男性がこぼす。

「新宿から渋谷に向かって明治通りを走っているとね、車の左脇をスーッと音もなく通っていくんですわ。モペットって言われているあれです。原付(バイク)なんかよりもスピードが出ているのに、ノーヘルで信号も守らないから、危なっかしくてね。ああいうのに乗っているのは若いおしゃれ系の男が多いけど、運転もでたらめなんだよな。社内でも、モペットや電動キックボードの事故に注意するよう言われるけど、こっちが注意したってあっちが危ないんだからさ」(タクシー運転手)

「モペット」とは、簡単に言えば、バイクに自転車のペダルがついたような乗り物で、モーターが始動していなくてもペダルをこげばすすみ、逆にペダルをこがなくてもモーターで自走することも可能だ。公道を走るにはナンバープレートをつけて、自賠責保険に加入し、ヘルメットを着用して乗ることが義務づけられている。自転車とほとんど変わらない見た目のモペットも存在するが、道路交通法上は原動機付き自転車に分類されるので、基本的には「原付バイク」と同じような乗り物、という理解で問題ないだろう。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン