国内

選対委員長を辞任した小泉進次郎氏、囲み取材でなぜ”進次郎構文”が出なかったのか?心理士の指摘

辞表を提出したことを明らかにする自民党の小泉進次郎選対委員長。10月28日(時事通信フォト)

辞表を提出したことを明らかにする自民党の小泉進次郎選対委員長。10月28日(時事通信フォト)

 10月27日に投開票日だった衆議院議員選挙で大幅に議席を減らした自由民主党では、開票速報が出始めた段階から、誰が責任をとるのだという話題が浮上していた。森山裕幹事長や、就任したばかりの石破茂首相など様々な名前が取り沙汰されたが、大敗の責任をとる辞任を実行したのは選挙対策委員長を務めていた小泉進次郎衆議院議員だった。臨床心理士の岡村美奈さんが、ネットでも評判の”構文”が出なかった小泉氏の辞任コメントについて分析する。

 * * *
 小泉進次郎氏が10月28日、自民党の選挙対策委員長を引責辞任した。衆院選の結果、自民党は過半数割れで惨敗。公示前から65議席も減らし「今回、多くの仲間を失ってしまった」(小泉氏)。「選挙の責任を取るのが、選対委員長の責任」と述べ、早々と辞任した小泉氏に、メディアやネットではそれを潔いとする見方と、泥船からいち早く逃げ出したとする見方に分かれた。本人はどう思っていたのだろう。

 石破茂首相に辞表を提出した後、報道陣の前に姿を見せた小泉氏は、苦渋の決断をしたというより案外サバサバしているような印象を受けた。8分半弱のぶら下がり会見では、小泉氏独特の言い回しといわれる”進次郎構文”は聞かれなかった。

 進次郎構文とは、環境相時代の2019年9月、国連の気候行動サミットのため訪米中、「今のままではいけないと思います。だからこそ今のままではいけないと思っています」や、「約束は守るためにありますから、約束を守るために全力を尽くします」(2019年9月)と述べたように、同じフレーズを繰り返すような彼独特の言い回しを指し、何か特別なことを言っているようで、実はそうでもないという表現でもある。

 傾向としてみれば進次郎構文は、これから先の話題や目指す方向性など、将来的な前向きなテーマに関することについて話す時に出現しやすいようだ。そのため自身の意見が明確になっていないのか、方向性が定まっていないのか、それとも思いをどう説明すればいいのか言葉が思いつかないのか。結果、進次郎構文は感覚的な言葉が使われやすく、だからどうなの?と聞いている側が突っ込みやすくなる。しかしこの日求められたのは、結果が出た事実に関するコメントだ。構文が出る幕もなく、小泉氏は質問に対して無駄な説明もなく、理路整然と答えた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン