10月17日、イスラエル軍はイスラム組織ハマスの最高指導者であるヤヒヤ・シンワル氏が死亡したと発表した。しかし、イスラエル軍はいまだガザ地区への激しい攻撃を続けている。ガザの保健当局は死亡者数が4万3000人を超えたと発表しており、ハマスの大規模攻撃から1年以上が経った今も戦火は広がるばかりだ。
そんななか、10月20日にひとりの女性がイスラエル北西部のアパートで死亡しているのが発見された。亡くなったシレール・ゴランさんは、ハマスに襲撃された音楽フェスの参加者で、10月20日は、彼女の22歳の誕生日でもあった。
シレールさんの兄であるエヤル・ゴランさん(36)は、妹は自ら命を絶ったとして、イギリスの週刊誌『サンデー・タイムズ』などの取材に答えている。国際ジャーナリストが解説する。
「シレールさんは何時間も茂みの中に隠れて、なんとか音楽フェスから生還しました。しかし、エヤルさんによると、殺される人々や性暴力を受ける人々の叫び声、銃声などをずっと聞いていたせいで、シレールさんはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症してしまったそうです。エヤルさんは、『妹の魂はすでに死んでいた』と語っています」(国際ジャーナリスト、以下同)
エヤルさんは、イスラエルに対して、生存者への支援を求めている。