スペイン・バレンシアには25年以上愛され続ける「Las Bairetas」というパエリアレストランがある。伝統の薪火調理にこだわり、ミシュランのビブグルマン(ミシュラン社が発行するレストランガイドブックで、「価格以上の満足感が得られる料理を出す飲食店・レストラン」を紹介している)も獲得した名店だ。
海外企業の日本進出のサポートなどを行う「エーワン」は、同店のメインシェフが創業したパエリア用スープ専門店「EL PAELLER」が世界25か国以上に輸出しているスープ缶を日本でも販売することにした。
そもそも、パエリア用スープとはどんなものだろうか。
「本場レストランの味を家庭で再現できるスープです。『Las Bairetas』のパエリア作り同様、薪火調理にこだわりました。味を忠実に再現するためにスープ用の厨房を作り、4×1mの巨大鉄鍋を特注。大きな鉄板の下に松の薪を敷き、シャコ、トマト、ニンニク、パプリカ、カニ、エビの頭、イカ、エビなどをオリーブオイルでソテーします。充分に火が通ったら水を加えて煮詰め、豊潤な味を醸し出します」(エーワン代表の畠山菊花さん・以下同)
スープには、地中海に面した美食の町・デニアの魚市場から仕入れた新鮮な魚介がふんだんに使われている。
「濃縮されたスープにはだしとしてシャコ、エビの頭などの定番に加え、その日に揚がった白身魚も入ります。また、具材としてイカとエビを入れています」
素材はバレンシア産の天然素材のみを使用。濃縮物・香料・砂糖・添加物・保存料は一切含まない。そんなスープは、缶を開けた瞬間、スモーキーな香りを放つ。このスープを使えば、本場の味に肉薄するパエリアができるが、作り方は簡単だ。
直径30〜35cmの平たい鍋にスープ1缶と同量の水を投入し、強火にかけて沸騰したら、生米(180g)を入れて平らに広げる。蓋はせず、強火のまま10分、その後、中火で7分、最後に強火で1分、水気がなくなるまで炊き上げる。味付けもされているため、余計な手出しは無用。
「湯気が出て、お焦げの香りがしてきたら火を止めて3分待つとできあがり。日本でパエリアといえば、鮮やかなライスに色とりどりのシーフードがのっているイメージですが、本場は具が少なめで茶色くて地味。でも、お米がさまざまな具材のエキスを存分に吸って、スモーキーな香りとともに奥深い風味と素材の強いコクを感じます。その濃厚な味わいを、ぜひ体験してほしいですね」
【DATA】
『薪火シーフードパエリアスープ』/エーワン/2900円。
内容量/645g(2〜3人前)
原材料/イカ、エビ、濃縮スープ<シャコ、カニ、エビの頭、トマトソース(クラッシュトマト、乾燥ニンニク、パプリカ)、エキストラバージンオリーブオイルなどからだしを取ったもの>。常温保存で消費期限は24か月。
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2024年11月14日号