「ヨガの母」「宇宙の母」という意味を持つ「ヨグマタ」。ヨガのマスターとして与えられた尊称を持つ相川圭子さんが読者のお悩みに答える、週刊ポストでの人生相談連載。第17回目の相談はこちら──。
Q:母が認知症です。同じ話を繰り返し、日常の動作もできないことが増えました。母の状況を理解していても歯痒さできつい言い方をしてしまい自己嫌悪に……。家族との記憶も、本来の社交性や行動力も日に日に母から失われ、別人になっていくようで悲しいです。父も妻が認知症だと認められず苦しんでいます。どうすれば変わりゆく家族を心から受け入れ、寄り添えるようになれるでしょうか?(50歳、会社員)
瞑想で内側を整え、源とつながることで症状が進むのを食い止められる可能性も
A:老いに伴い衰えが生じるのは、自然なこと。哀れに感じることではありません。
今まで見たことがなかった母親の姿に戸惑ったとしても、失望したり否定したりせずに、変化をあるがまま受け入れる。どんな姿になろうとも、生きている限り、人は皆、魂が輝いています。記憶の中にある“素晴らしいお母さん”を理想とするのではなく、目の前にいるお母さんを敬い、いたわりましょう。
相手の変化を受け入れて尊敬の念を持つと、見る目も変わります。欠けた部分を数えるのではなく、今のお母さんのすてきな部分をあたたかい目で探すのです。見つけたら言葉にして、お母さんに伝えてください。きっと明るい笑顔が返ってきます。きつい言葉では相手はどんどん悪くなります。また自分もストレスで余計に苦しくなってしまうでしょう。心が弱り、両者ともどんどん苦しくなります。
私はヒマラヤシッダー瞑想を伝えています。あなたが親につい、つらくあたる原因は、小さい時に受けた親子の葛藤にあるのかもしれません。瞑想は過去のいやな記憶を溶かします。また心が浄まり、わだかまりが消えて、本質的な愛が目覚めます。
あなたが愛の人になることで、親が生きていてくれるだけで素晴らしいと、心から感謝できるようになります。瞑想で変容し、あなたが真に成長して真心と慈しみの愛を注ぐことで、叱られて萎縮してしまったお母さんの心がほぐれて、自信と活力を取り戻します。また願わくば、お母さまも瞑想をされるとよいでしょう。次第に病状が改善する奇跡も起きるかもしれません。瞑想は内側を整えます。源に輝く存在につながり、信じることで、そこからのパワーが引き出されて癒されると、症状が進むのが食い止められるのです。
無償の愛には癒しの恵みがあります。介護する人がヒマラヤ瞑想を学ぶことで愛と癒しの存在となり、家族の症状の改善が期待されます。誰にも両親はいます。源につながることが認知症の予防になるのです。
【プロフィール】
相川圭子(あいかわ・けいこ)/女性で史上初めて「究極のサマディ(悟り)」に達した、現在世界で会えるたった2人のヒマラヤ大聖者の1人。5000年の伝統をもつヒマラヤ秘教の正統な継承者で、2007年にはインドスピリチュアル協会から最高の聖者の称号「マハ・マンダレシュワル」を授かる。2016、17年には国連本部で主賓として平和のスピーチも行なった。TBSラジオ『相川圭子 幸せへのメッセージ』にレギュラー出演中。著書は累計100万部を超える。
協力:サイエンス・オブ・エンライトメント https://www.science.ne.jp/
※週刊ポスト2024年11月29日号