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中国がミャンマーの反体制軍事組織「ミャンマー国民民主同盟軍」の最高指導者の身柄を拘束、占拠しているラーショーから撤退を要求

ミャンマーと緊張状態が続く中国(写真は習近平氏/時事通信フォト)

ミャンマーと緊張状態が続く中国(写真は習近平氏/時事通信フォト)

 中国政府はミャンマー・シャン州北部最大の都市であるラーショーを占拠しているミャンマーの反体制軍事組織「ミャンマー国民民主同盟軍(MNDAA)」の最高指導者、彭大迅氏の身柄を拘束しており、MNDAAに対してラーショーから撤退するよう求めていることが明らかになった。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた

 彭大迅氏は中国系のミャンマー人で、同氏の兄が雲南省昆明市に住んでホテルを経営しており、10月中旬、病気の治療のため、昆明市を訪れ、兄のホテルに宿泊している際、中国側に身柄を拘束されたという。

 彭氏が率いるMNDAAは今年7月、ラーショーにある軍事政権の軍事本部を占拠し、8月には中国との国境に近い重要な商業の玄関口として機能するこの町を完全に支配下に置いている。ミャンマーには14の地域軍司令部が置かれているが、ラーショーの北東部司令部は反体制側の手に落ちた唯一の司令部となっている。

 ラーショーは中国国境の雲南省にも近く、MNDAAはラーショーから中国国境地帯までを支配下に置いていることから、ミャンマー政府軍による空爆や、両者の戦闘激化で、雲南省の市民が戦闘の巻き添えになるケースが増えている。

 また、中国政府はミャンマー政府を支援しており、彭氏の動静を探っていた。身柄の拘束に成功したことで、中国外務省のトウ希軍アジア担当特別代表がこのほど、彭氏と会談し、身柄の釈放を条件に、MNDAAのラーショー撤退を説得しているという。

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