怒りが収まらない大谷翔平(写真/AFP=時事)
希代のスーパースター・大谷翔平(30才)から約1700万ドル(約26億円)もの大金をだまし取ったことが明るみに出て、“世界一有名な通訳”の座から転がり落ちた水原一平被告(39才)。その裁判の判決が12月20日(現地時間、以下同)に予定されていたが、来年1月24日に延期された。
「精神科医によるギャンブル依存症の鑑定を受ける予定でしたが、水原被告が体調を崩したため受けられませんでした。そのため判決も延期に。もともと量刑の言い渡しは10月の予定だったので、延期は2度目です」(在米ジャーナリスト)
今シーズン開幕直後に浮上した「一平事件」はいまだ“決着”とはいかない。信頼していた相手に裏切られた大谷には、怒りの感情とともに焦りもあるようだ。11月26日付で、大谷がカリフォルニア州の連邦地裁に申し立てを行ったのは、「水原被告が大谷から盗んだ金で購入した、約32万ドル(約4900万円)相当の野球カードの返還」だった。
野球カードとは、名刺サイズの厚紙に選手の写真やプロフィールなどが印刷された、収集や交換目的として作られたカードのこと。封を切るまでどの選手のカードが出るかわからず、中には選手のサイン入りといったレアカードもある。
「水原被告は今年1~3月に大量の野球カードを購入していました。その中には、大谷選手も含め、スター選手のカードが多く含まれていた。アメリカではコレクターの熱が高く、高額で取引されたケースもある。のちに転売する目的で、水原被告は購入したのでしょう」(前出・在米ジャーナリスト)
実際、大谷のサイン入りカードは、今年11月に約53万ドル(約8100万円)で落札されている。水原被告が購入したカードは、「犯罪収益に由来する財産」として連邦政府に没収された状態だ。没収財産の中には、大谷本人が所有していた自身のサイン入りカードも含まれており、大谷は同時にそれらの返還も求めた。
「12月2日に、カードは大谷選手本人に返還される見通しとなりました。申し立てが認められなかったとしても『犯罪被害回復』のお金として大谷選手に支払うため、カードは競売にかけられる予定でした」(前出・在米ジャーナリスト)
何をせずとも、お金は戻ってくるはずだった。なぜ大谷は、カードのままの返還を望んだのか。
「『カネ』を取り返したいというより、カードが競売にかけられること自体を望んでいなかったのでしょう。カードが人手に渡れば、さらに高額で転売されかねませんから」(スポーツライター)
それ以上に大谷が避けたいのが、いまだ米国内で燻る大谷の“責任論”を、判決の折に追及されることだ。
「水原被告の詐欺が発覚した当初、米国内では大谷選手本人と違法ギャンブル業者とを結びつけるような見立てもありました。加えて、多額のお金を水原被告が使えるようにしていた大谷選手の『管理責任』を問う声もあった。水原被告への判決の際に、そういった点を再び掘り返され、“違法賭博の胴元が得た犯罪収益はもともとショーヘイのカネだった”“犯罪を助長した”と強調されることも考えられる。
厳しい対応を表明することで、水原被告が犯した罪と自身とは無関係であることを訴えたかったのでしょう」(前出・スポーツライター)
心休まる年越しとはいかないようだ。
※女性セブン2024年12月19日号