石破茂首相ら自民党執行部の責任も重い(時事通信フォト)
自民党本部は先の総選挙の最中であった10月16日、裏金問題をめぐる「非公認」とした無所属候補8人が代表を務める自民党支部に政党助成金2000万円を「党勢拡大のための活動費」として振り込んだ。発覚後に“裏公認料”だと猛批判を浴びたが、その2000万円という大金を、「いらないから返す」「やったものだから受け取れない」と互いに押し付け合う騒動が起きていた──。政党助成金は国民の税金である。一体、何が起きているのか。
自民党が非公認候補にも2000万円を交付したことが『しんぶん赤旗』(10月23日付)で報じられると大きな批判が巻き起こり、石破茂・首相は大慌てで「非公認候補に出しているわけではない」「選挙に使うことは全くない」と釈明に追われ、自民大敗につながったことは記憶に新しいだろう。
2000万円を受け取った候補たちも喜ぶどころか、逆風を強めることになって「勝手に振り込まれた」「なんということをしてくれたのか」と頭を抱えた。
その1人、萩生田光一氏(東京24区)は選挙戦終盤、事務所のXに2000万円を返したことを書き込んで批判を打ち消そうとした。以下のような投稿だ。
〈昨日確認された党本部からの交付金について、本日、自民党第24選挙区支部の緊急役員会を開催し、以下の決定をいたしましたのでご報告いたします。
本交付金は年間を通じて交付される正当なものではありますが、振り込み時期や金額が誤解を招く可能性があると判断いたしました。
また、党勢拡大を求められているものの、現在無所属で活動しているため、その目的を達成することが困難であることを理由に、返金することを決定しました。
会議終了後、党本部にその旨を申し出、指定された口座への返金手続きを完了いたしました。選挙戦も今日を入れてあと二日、無所属候補として正々堂々と戦い抜く覚悟ですので、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます〉(10月25日)