韓国・尹錫悦大統領(63)による突然の非常戒厳令は、“妻を守るため”だったという説が囁かれている。ひとまわり年下の大統領夫人・金建希氏(52)は、様々な疑惑が取り沙汰され、批判の対象となってきた経緯がある。ソウルを拠点に活動するジャーナリストの申光秀氏がリポートする。
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韓国で44年ぶりに発動された戒厳令。最高権力者だけに付与された「伝家の宝刀」を抜いたにもかかわらず、わずか6時間で解除に至ったことで、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(63)の政治生命は風前の灯となりつつある。
なぜ、大統領は拙速な行動に走ったのか──その原因については今後、極めて厳密な検証がなされるはずだが、国民の間で“相当に有力な説”として囁かれているのが、12歳年下の「令夫人」(大統領夫人)である金建希(キム・ゴンヒ)の「疑惑隠し」という見立てだ。
「大統領は、疑惑を追及され窮地に追い込まれていた夫人を救うため、民主主義を破壊する戒厳令に踏み切った」──そんな言説がまことしやかに飛び交っている。
韓国だけに限った話ではないが、ある意味で大統領よりも注目度の高い存在、それがファーストレディ=「令夫人」だ。
戒厳令が宣布される直前、夫人には「ドイツ・モーターズ」の株価操縦に関与したという疑惑や不法に高級ブランドバッグを受け取った疑惑など、数々のスキャンダルが浮上しており、それが政権の支持率に直結していた。
11月上旬には、韓国ギャラップの世論調査で「支持率19%」という政権史上最低の数字が報告されるなど、夫人の疑惑は政権の命運を左右する問題となっていたのである。
華やかな外交の舞台で大統領の隣に立つ金建希夫人は、その美貌で注目を集める存在だった。だが、その美しさは庶民、特に女性の嫉妬を喚起する。本人は過去の美容整形を認めているが、これについては異常なまでのバッシングに見舞われてきた。