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医療脱毛アリシアクリニック 運営2社が破産手続開始 被害者9万人超えか、銀座カラー破綻から1年、医療脱毛にも経営破たんの動き

医療脱毛「アリシアクリニック」運営2社が破産手続き(時事通信フォト)

医療脱毛「アリシアクリニック」運営2社が破産手続開始(時事通信フォト)

 「本日は臨時休業日とさせていただきます」。医療脱毛のアリシアクリニックの電話番号に電話をかけたところ、こう返答された。

 医療脱毛「アリシアクリニック」を運営していた医療法人社団「美実会」および一般社団法人「八桜会」が2024年12月10日に、東京地裁から破産手続開始決定を受けたことが明らかになった。

影響は9万人を超える

・債権者や負債総額:債権者9万1818人、負債総額124億7133万円。
・八桜会の業態:脱毛クリニック「じぶんクリニック」を運営し、2024年7月に「アリシアクリニック」へ名称変更。

 信用調査大手の東京商工リサーチ、帝国データバンクが相次いで「アリシアクリニック」運営2社の経営破たんを報じた。

 同2社によると、美実会の債権者は5万7498人で、負債が72億9546万円。八桜会の債権者は3万4320人で、負債が51億7587万円。合計で、債権者9万1818人、負債総額は124億7133万円となる。

 八桜会は脱毛クリニック「じぶんクリニック」を経営していたが、2024年7月に「アリシアクリニック」に変更していた。

 アリシアクリニックのホームページにアクセスしても、ダウンして閲覧することはできなくなっている。

 2023年12月に、脱毛エステ「銀座カラー」運営会社が経営破たんしたが、その際に「じぶんクリニック」は、銀座カラー運営会社と業務提携を解消したことで注目された。両社は、法人の本店を東京都港区の同じビルに置いていた。

医療脱毛にも経営破たんの波

・脱毛業界の現状:脱毛エステ・医療脱毛の経営破たんが相次ぎ、業界の厳しい状況が明確化。
・エステの課題:前金方式の自転車操業やコロナ禍の利用者減少が経営不安定性を助長。
・過去の破たん事例:2022年「脱毛ラボ」、2023年「C3」「銀座カラー」、2024年「ビー・エスコート」。

 2024年11月に、脱毛エステ「ビー・エスコート」の経営破たんが報じられたばかりの中で、医療脱毛の経営破たんが明るみに出たことで、脱毛業界の厳しい状況が一層鮮明となった形だ。

 脱毛業界では、店舗の増加に伴い、競争が激化していた。脱毛エステでは、前金を受け取って、その資金で脱毛事業を運営する自転車操業が経営の不安定性を招いていると指摘されていた。コロナ禍で利用者が減少した結果、脱毛エステでは、上昇する広告費や採用費を賄えずに経営が成り立たなくなっている事例が相次いでいた。

 2022年以降、「脱毛ラボ」、2023年には「C3(シースリー)」、「銀座カラー」、2024年には「ビー・エスコート」の運営会社がそれぞれ破綻していた。2023年、脱毛エステの経営破たん件数が過去最高だったが、2024年はそれに既に並んでいた。

 医療脱毛についても2023年に男性専門の医療脱毛ウルフクリニック運営会社の経営破たんが注目していたが、医療脱毛では目立った経営破たんの動きは見られなかった。しかし、ここに来て、利用者数の多い医療脱毛大手の破たんとなり、潮目の変化が感じられる。

 美容医療において脱毛は最も利用者が多い施術内容で、現在の契約者への対応などが困難を来すと見られる。影響はしばらく続きそうだ。

参考文献

医療法人社団美実会ほか1社(東京商工リサーチ)

医療法人社団美実会など2社(帝国データバンク)

脱毛エステサロン「Be・Escort(ビー・エスコート)」運営会社セピアプロミクスが破産手続き開始、昨年銀座カラー倒産時は救済企業の1社だったが、脱毛の競争激化や信用販売の規制強化など原因に

銀座カラー閉店の衝撃、2024年も救済の手はまだ伸びる、美容医療やエステの連携が継続

じぶんクリニック運営法人、「銀座カラー」運営会社との業務提携を解消、脱毛は1回ごとの支払いが選択肢か

2024年、脱毛エステ業界の倒産が過去最高に、11月にもビー・エスコート破産手続き開始、東京商工リサーチが年間100件突破の可能性を指摘

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