「香港市民の幸福指数」調査結果が発表され、今年は10点中5.63点と、7年連続で最低を記録した。香港市民は政治や経済の変化などで、さまざまなストレスを抱えて生活しているようだ。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
「香港市民の幸福指数」調査は世論調査会社「HK.WeCARE」が今年の7月から8月にかけてオンラインアンケートを通じて実施し、1093人から回答を得た。香港の医科大学、東華学院の林清教授が手がけ、結果をまとめている。
アンケートの調査結果によると、全体の10人に1人がほぼ毎日、気分の落ち込みや失望、あるいは絶望感を経験していると答えている。この結果は、これまで7年間の調査では最悪で、主に35歳から44歳の市民の幸福指数が最も低かった。
これについて、調査会社は「香港では35歳から44歳の働き盛りの男女が収入面などで家族全体の生活を支える立場にあり、責任が重く、さまざまなストレスを抱える要因になっている」と分析している。
また、林教授は香港の不動産不況の中で、香港経済に暗雲が漂っていることから「香港のこうしたムードが香港市民に対して非常に深刻な影響をもたらしていると感じる」と指摘している。
一方、同社は3月にも「香港の家族の幸福度指数」調査を発表している。これは昨年12月に1300人以上の市民を対象にオンラインで実施したもので、特に65歳以上の幸福指数が前年の7.3点から6.5点とかなり低下していることが分かっている。支援を必要とする高齢者を置き去りにして、移住する人々や家族の数が増加していることが影響しているようだ。
香港ではここ数年で、中国経済の影響がさらに強まっており、それに伴って、中国の経済不振が香港経済の足かせになっている。その結果、香港市民の生活の幸福度低下を招いているとみられる。