総裁選出馬“5度目の正直”で、総裁の座を射止めた石破茂首相が掲げた2024年の漢字は「謙」だった。「2024年後半はひたすら謙虚にとかみしめながら」と、その漢字の意味を語ったが、実際、意気揚々とした船出ではなかった。
「外交マナーやおにぎりの食べ方など、なにをしても炎上してしまうような状況で支持率も急落して低空飛行を続けています。2025年夏には参議院選挙が控えていますが、党内からは“石破首相で勝てるのか”という声も聞こえてくる。石破首相自身が、求心力確保のために動き出す可能性もゼロではありません」(全国紙政治部記者)
政治評論家の伊藤達美さんが話す。
「可能性として、いちばん早いのは3月の2025年度予算成立時。本予算を成立させた後に解散総選挙に打って出る。その次が、参院選に合わせたダブル選挙です。都議会選挙を含めたトリプル選挙となり、民意を問うということもないことはありません。こうして解散すれば、自民党への逆風が厳しいいま、負ける可能性も高い。そうなれば、総理退陣も視野に入ってくるでしょう。
もう一つのパターンは、石破総理が解散に踏み切ろうとしたときに党内からの強い反発で退陣を求める動きが出てくること。抵抗はかなり強いと思います。この場合は解散することなく、総裁選が行われます」
その場合、2024年9月の総裁選で高まった「女性総理」への期待が再燃することは間違いないだろう。
「総裁選の決選投票で石破総理に敗れ、2位となった高市早苗氏はいまでも、総理・総裁候補であることは変わりません。固い支持があることを明確に示していて、自民党員の期待感もあり、党内からも総理候補だとみられています。本人も気を緩めず、党で汗をかいている。
最近も、闇バイト対策の提言を行い、高市氏が会長を務める自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会は、警察の潜入捜査の実現に向けた提言を出すなど国民のための政策に積極的に取り組んでいる状態です」(伊藤さん)
2024年の総裁選では、高市氏のほかに、上川陽子前外務相も出馬した。
「上川氏は官僚からの信頼は厚いものの、9月の総裁選では推薦人集めに苦心した経緯があります。財務省からは小渕優子氏をプッシュする動きもありますが、本人が消極的で、後ろ盾になっていた“長老”たちもひとり、またひとりといなくなったいま、“小渕総理”は不透明です」(永田町関係者)
国民の生活を守り、この国の舵をとってくれる強い女性総理の誕生なるか。
※女性セブン2025年1月2・9日号