今年も大学受験シーズンが到来。受験生の志望校は人それぞれだが、日本国内で偏差値の頂点といえば東京大学だ。全国トップクラスの頭脳を持った受験生たちが、熾烈な競争を勝ち抜いた末に赤門をくぐることになる。しかし入学後、同じ東大生であっても地方出身者の場合、都会出身者と「格差」を感じるシーンがあるという。
昨年刊行された『ヤバイ東大解剖録』(KADOKAWA)で、富山県トップの公立進学校から東大法学部という経歴を生かし「東大のリアル」を描いた、チャンネル登録者数50万超えYouTuber・チェリー東大あきぴで氏が、スペックの高い東大生の実態を紹介する。(同書より一部抜粋して再構成)【全3回の第1回】
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教養学部の必要単位数は約60単位だ。2年間という猶予のなかで60という少ない単位を取れば進級できると聞けば、温室ぬくぬく状態をイメージするかもしれない。だが、東大生のスペックはそのぬくぬくライフには似つかわしくないほど尖っていた。
まず、普通に英語が喋れる。東大の英語の授業では一部オールイングリッシュの授業があり、教授も学生も皆英語で話すことを求められる。帰国子女ならまあ説明がつくが、実際純ジャパンの人でも皆ある水準まで英語は喋れる印象だった。特に都会の人に多気がする。これが受験勉強で手一杯な地方勢との格差なのか……。
とはいえ、英語が喋れるのはまだ想定の範囲内。問題は第二外国語だ。
僕はおしゃれ男子を目指してフランス語を選択していた。だが、フランス語の授業の中でも「フランス語演習」という授業で、僕は東大生のスペックの高さを目の当たりにした。
「フランス語演習」とは、文法や読解をしていくというよりかは、どちらかというとオーラルコミュニケーションに近く、積極的にフランス語で会話を試していくような授業だった。
最初の授業こそ「私はあきぴでです」「はじめまして」「よろしくお願いします」といった非常にわかりやすい内容から入っていったのだが、以降は「出身はどちらですか?」「ご職業はなんですか?」「この店では何が売っていますか?」など多彩なシチュエーションでの会話を学ぶことになった。
僕は初っ端の「自己紹介パート」が終わってからは完全に置いていかれてしまった。元々言語系はオーラルよりも読解の方が得意だった僕にとって、次第にフランス語が飛び交うようになっていく授業は苦痛でしかなかった。