北朝鮮は今年4月に新型コロナウイルスの流行に伴う国境封鎖を全面的に解除するに伴い、中国との国境の鴨緑江や豆満江の沿岸地帯で、3月末まで100日間の「反社会主義撲滅運動」を実施していることが明らかになった。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。
北朝鮮では1月初めから「反社会主義撲滅運動」が始まっており、4月の上旬まで実施される予定だ。
国境付近では治安維持組織である国家安全部や、警察を統括する社会保障部などの人員らが動員され、国境での違法な越境者の取り締まりが強化されている。主に、違法なビデオや出版物、あるいは中国製の携帯電話が取り締まりの対象で、中国からの密輸業者や北朝鮮の取引関係者などが取り調べを受けているという。
北朝鮮では2020年初めの新型コロナウイルス感染拡大を受けて国境を封鎖したが、2022年5月下旬から首都・平壌市を含む各地の封鎖が徐々に緩和されている。昨年8月には北京・平壌間の国際線の旅客機の運航が再開されているが全面解除には至っていなかった。
今後の国境開放は2020年以前の水準に引き上げることを目標に準備を加速しており、主に北朝鮮北部の豆満江沿岸部の国境の開放を目指しているという。
そのため、100日間の「反社会主義撲滅運動」は「1月末までの調査段階」、「2月末までに確認段階」「3月末までの処罰段階」の3段階に分けて行われ、この100日間で、国境地帯の反社会主義分子の撲滅を実現し、中国との安定的な国境貿易や人的交流の促進を図る方針だという。