JR長野駅前で男女3人が刃物で襲われ、1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件。発生から5日が経った1月26日、長野市内に住む矢口雄資容疑者(46・無職)が逮捕された。警察の調べに対し本人は黙秘を続けているが、周辺を取材すると、容疑者の直近の“困窮状況”が見えてきた——。【前後編の前編】
「1月22日の夜、JR長野駅前のバス乗り場付近で、バスを待つなどしていた男女あわせて3人が、刺身包丁のような刃物で次々と刺された。40代の男性1人が死亡し、男女2人が重軽傷を負い、県警は防犯カメラなどのリレー捜査で犯人の特定を急いでいた。
警察は通り魔的な犯行の可能性もあるとみて捜査を進めているが、容疑者は黙秘を続けている」(全国紙社会部記者)
矢口容疑者の自宅は、現場となった駅から東に直線で3キロほどの場所にあった。単身向けの賃貸アパートに1人で暮らしていたようで、大家は「2020年に入居。問題行動などはありませんでした」としたが、近隣住民は矢口容疑者の“奇行”を目撃していたという。
「今年の1月2日、22時ごろ、矢口容疑者らしき人物がマンションのほうから歩きながら、誰かを大声で罵るような言葉を叫んでいたんです。ある人の家の前で『警察? 呼べるもんなら呼んでみろ!』というようなことを叫んでいました。案の定、警察がパトカーで駆けつけていましたが……。
お正月の三が日で静まり返っていたので、その時は矢口容疑者の声が周囲に響きわたっていた。近所でも『矢口さんは怖いね』というくらいには噂になっていました」