まさに「死人に口なし」
そもそも、事件発生の約1時間後に逮捕されたオズワルドは犯行を否認していた。だが、事件の2日後にダラス市警の地下で拘置所への移送車に乗る直前、ナイトクラブ経営者のジャック・ルビーに射殺されてしまう。その後、ルビーも刑務所内で不可解な言動を繰り返して病死した。まさに“死人に口なし”である。
事件の背後に見え隠れするCIA、FBI、マフィア、そして軍産複合体──落合氏の著書は、泥沼化するベトナムからの撤退を決断しようとしたケネディ大統領を本当に狙ったのが誰か、というところまで踏み込んだ。
トランプ氏は、1968年にやはり不可解なかたちで凶弾に倒れた弟のロバート・ケネディ元司法長官の事件についても捜査資料の公開を命じた。真相は明らかになるのか。
なお、国立公文書記録管理局に保存されていた事件の証拠の一部は、すでに火事で焼けたり何者かに盗まれたりして失われたとされることを書き添えておきたい。
※週刊ポスト2025年2月14・21日号