49歳で出産した小松みゆき
女優の小松みゆきは2021年に49歳という高齢で、第一子を出産した。子どもの誕生を長年待ち望み、顕微授精を繰り返すこと14回以上。7年にわたり不妊治療を行ってきた。独身時代は「子どもを産みたいという願望はあまりなかった」という小松。それでも、39歳での結婚を機に、気持ちも変化したと語る。【全3回の第3回。第1回から読む】
「結婚は相手があってこそ。その相手が望んでいるならと、母になることを考えるようになりました。ただ、結婚直後に舞台が入っていて、すぐに不妊治療を始めることはしなかった。もしもそのタイミングに不妊治療を始めていたら、もっと早い段階で出産できていたかもしれない。過去に戻れるなら、あの時の自分に喝を入れたいですね」(以下、小松)
出産後は想像をはるかに超える過酷さだった。
不妊治療を始めても、なかなか成果が出ない。一般的に高齢出産とされる35歳もすでに超えている。「せめてあのタイミングで決断していたら……」と、苦しみ続けた。
「葛藤と罪悪感を常に抱えていました。でも幸か不幸か、年齢的に排卵のリミットが迫っていた。悩む間もなく、突き進むのみだったんです。私は高齢や体の老化が妊娠しづらい理由でしたが、若い人は病気の可能性もあります。もし婦人科系に病気があれば、治療を済ませないと不妊治療を始められない。不妊治療も先が見えません。出産までとても時間を要してしまうかもしれない。苦しい道のりだと思います。自分の経験があるからこそ、子どもを望む女性はまず婦人科健診、いわゆる“ブライダルチェック”をしましょう、と伝えたいです」
待望の子どもに恵まれた喜びもつかの間、出産後は想像をはるかに超える過酷さだった。