国際情報

香港で逮捕・裁判中の民主化運動家の黎智英氏に米ブラッドリー財団が名誉賞を授与 黎氏の長男はトランプ政権に釈放支援を要請

香港の民主化運動に尽力したことが理由だという

香港の民主化運動に尽力したことが理由だという

 米国のリンド・アンド・ハリー・ブラッドリー財団(以下、ブラッドリー財団)は、「香港の治安を乱した」などとして、香港政府によって香港国家安全維持法違反で逮捕・拘束された「蘋果(リンゴ)日報」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(77歳)に、今年のブラッドリー賞の名誉賞を与えると発表した。香港の民主化運動に尽力したことがその理由だという。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 同財団は米ウィスコンシン州ミルウォーキーに拠点を置く民間の慈善財団で、2021年時点で約8億5000万ドルの資産を保有するなど、保守層に最も影響力のある米国の財団のひとつとして知られている。

 同財団は授賞理由として、中国共産党政権から香港への圧力が強まる中、真実を訴え続けるために香港に留まることを選んだ黎氏の犠牲は、専制政治に抵抗する世界中の人々に希望をもたらしたとしている。

 また、黎氏は香港で最も象徴的なビジネスリーダーの一人であるとともに、民主主義と報道の自由を勇敢に提唱した人物であり、ジャーナリズムと民主主義に対する揺るぎない信念と並外れた勇気が、自由を大切にするすべての人々を鼓舞した、とも称賛している。

 黎氏の長男である黎崇恩氏は声明を発表し、「この賞は真実と自由に対する父の主張を肯定するものだ」と述べたうえで、父は現在、刑務所に収監されているが、世界最大かつ最強の全体主義体制に対する彼の抵抗と自己犠牲の精神は、無数の人々の心の中で英雄となっていると語った。

 崇恩氏は3月、ワシントンを訪れトランプ政権に対し黎氏の釈放に向けた支援を要請、前向きな意向を示されたものの、いまだ具体的な動きはみられていない。

 黎氏は、現在行われている裁判で有罪判決を受けた場合、終身刑に処される可能性がある。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン