不調の原因は?(時事通信フォト)
新エースに赤信号だ。巨人の戸郷翔征(24)が開幕投手を務めた初戦から3連続KOで「二軍降格」に。4月11日の広島戦では自己ワーストの10失点を喫した。
「4回は6本のヒットで7失点するまで続投させられ、“放置プレー”と騒がれた。降板後はベンチで目を真っ赤に腫らしてうなだれていた。立ち直れるか心配されるレベルです」(巨人担当記者)
戸郷は昨季の「奪三振王」だ。伸びのあるストレートで押し込み、フォークで三振を取るスタイルだった。
「それが今季は真っすぐの球速が142~143キロしか出ておらずキレがない。ファウルで粘られ、フォークは見送られる。高めに浮いた球を打たれていて、阿部慎之助監督は記者に『クセが盗まれていたんじゃないか』と話していたが、そう言われて仕方のない状況です」(同前)
盗まれるようなクセがあるなら指摘できないスタッフの責任も問われそうだが、戸郷が“壊れた”原因はどこにあるのか。
「広島の大瀬良大地(33)のカットボールの握りをチームメートの丸佳浩(36)経由で教わり、新球種取得に挑んだことで、それが武器だったストレートに影響したとの見方がある。移籍してきた田中将大(36)に“真っすぐの握りが少しずれてスピンがかかっていない”と指摘され、修正を図っているようです。
また、昨年6勝した大城卓三(32)とのバッテリーではなく、移籍組の甲斐拓也(32)が正捕手となった影響を考え、大城とのコンビを復活させるべきとの声も出ている」(スポーツ紙デスク)
今季は長年チームを牽引したエース・菅野智之(35)がメジャー移籍。昨季12勝をあげた戸郷の復活はリーグ連覇に欠かせないが、辛口評論家の江本孟紀氏は課題が多いと指摘する。
「今季の問題の一つは投球の“テンポ”がもの凄く早かったことです。戸郷は元々、“手投げ”に近いフォームですが、球離れが早いので打者のタイミングが合いやすくなってしまった。それに今季は下半身に力が入っていない。実績を残すと慢心する。早急に下半身を鍛え直さないと、二軍でシーズンを終えることになるかもしれません」
躍動する投球が再び見られる日は来るか。
※週刊ポスト2025年5月2日号