消費減税に「大賛成」と答えた高市早苗氏
支持率低迷で夏の参院選も自民党劣勢が予想される石破政権。トランプ米大統領の「関税」をめぐる予測不能な動きや、党内で持ち上がる減税論に対応できているようには見えない現実がある。そんななか、存在感を高めるのが先の総裁選で最多の党員票を獲得しながら決選投票で敗れた高市早苗・前経済安保相(64)だ。党内外から“高市待望論”も浮上するなか、石破政権とその“トランプ対応”や減税について、どう考え、どう動くつもりなのか。ノンフィクション作家の常井健一氏が斬り込んだ。【全3回の第3回。第1回から読む】
「陣頭指揮をとるのが誰か、よく見えなかった」
──自民党は結党以来、挙党一致でやっと力を発揮できる政党です。高市さんや茂木敏充さんといった国際経験豊かなライバルを取り込まないと、石破さんの力だけではトランプ関税による混乱を克服できません。米国の発表直後、高市さんは「本気の姿勢を日本政府が見せるべきだった。陣頭指揮をとるのが誰か、よく見えなかった」と鋭く批判しました。
「日本の閣僚は、予算案審議中には海外に出にくいので、閣僚以外の特使を早期にワシントンDCに送って現地に滞在してもらえばよいのに、と思いました。東南アジアのある国は、昨年の大統領選直後からトランプ関税を想定して、あらゆるルートを使って水面下で交渉したと聞きましたから」
──案の定、週明けに株価が暴落し、石破さんは慌て、トランプ大統領と電話会談をして、ようやく担当閣僚に赤沢亮正経済再生相を任命しました。
「私が外野から言っても詮無い話ですけど、第一次トランプ政権で、茂木茂大臣(当時)がライトハイザー通商代表部代表と貿易交渉をした時、安倍総理は茂木大臣に全権委任して、いろんなカードを使える立場で送り込みましたよね。麻生副総理(同)にも、ペンス副大統領と交渉してもらいました。特に、麻生元総理は、昨年にも大統領再選が不明だった時点でトランプ氏と会談していますから、現政権からの信頼は厚いと思います」
──赤沢さんの外交手腕が不安視されていますが、確かに先述の「閣僚以外の特使」として、麻生さんを派遣するという手もありました。仮に高市さんが頼まれたら?
「もちろん、立場が与えられれば、すぐに動きましたよ」