尹錫悦氏の“次”も前途多難?(時事通信フォト)
非常戒厳令の発令を巡り、弾劾訴追裁判で罷免された尹錫悦・前大統領(64)。きたる大統領選挙(6月3日投開票)に向けて与野党で候補者選びが佳境を迎えている。
「野党の『共に民主党』は李在明前代表の独走状態です。問題は与党『国民の力』。候補者同士がお互いに罵り合う、低レベルな予備選が繰り広げられているのです」(ソウル在住のジャーナリスト)
4月20日に開催された党内の討論会では、有力候補の一人である前大邱市長・洪準杓氏が、国民の力の元代表・韓東勲氏に対し、「シークレットブーツを履いているのか?」「地毛なのか?」と質問。韓氏が「幼稚な質問だ」と反論すると、洪氏は再び「外見ばかりに執着し、イメージで政治をやるな」と言い返した。
これに対して、韓氏は「眉毛をアートメークしている政治家がイメージ政治を語る資格があるのか」と猛批判。
「韓氏には以前からシークレットブーツや植毛疑惑がありましたが、討論会の場で出す話題ではない。韓氏も売り言葉に買い言葉とはいえ、お互いが外見を揶揄しあう展開に与党支持者からも溜息が漏れています」(同前)
ほかの候補者間でも政治スタンスの違いを巡って舌戦を展開するなど党内対立が浮き彫りになっている。「国民の力」は5月3日の党大会で候補者指名を行なうことになっているが、内輪の争いをしている状況で国民の支持を得られるだろうか。