国際情報

韓国「慰安婦の日」 徴用工団体同士が怒鳴り合った背景

複数の徴用工関連団体の利害がぶつかり合う

複数の徴用工関連団体の利害がぶつかり合う

 この夏、韓国では激しい「No JAPAN」運動が展開された。ところが、反日の理由の一つとなっている徴用工問題では、韓国国内も一枚岩ではないようだ。韓国の「慰安婦の日」に開催されたシンポジウムで起きた“事件”について、ジャーナリストの赤石晋一郎氏がリポートする。

 * * *
 8月14日は韓国では「慰安婦の日」とされている。真夏の炎天下となったこの日、韓国内では各地で記念シンポジウムが開催されていた。ソウル市内の中心部に位置する禅寺(チョゲサ)では「強制動員問題解決のための国際会議 解放74年、強制動員問題の過去、現在、未来」と題された集会が行なわれていた。ソウル特派員が解説する。

「このシンポジウムは徴用工問題についての国際会議という触れ込みでした。開催者の名前こそ『共同行動』と連帯組織のようになっていましたが、実質的には民族問題研究所という市民団体が主導したようです」

 民族問題研究所は「徴用工版の挺対協(旧・韓国挺身隊問題対策協議会、現・日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)」と呼ばれる市民団体だ。反日色を前面に打ち出す「植民地歴史博物館」を運営するとともに、日本製鉄相手の徴用工裁判を支援している団体としても知られる。昨年の徴用工裁判で日本企業に賠償命令を出した韓国大法院判決を受け、韓国内では徴用工裁判の立役者としてその発言力が大きくなっている。

 この日のシンポジウムには、韓国の市民運動家などが多数参加した。日本からは矢野秀樹氏(日本強制動員共同行動事務局長)らがゲストスピーカーとして名を連ねていた。民族問題研究所が提唱する「徴用工問題で日韓市民が連帯する」ということを意識した国際会議だったようだ。

関連記事

トピックス

12月19日に亡くなった読売新聞グループ本社代表取締役主筆・渡辺恒雄さん(時事通信フォト)
《渡辺恒雄さん追悼》田原総一朗氏が明かす「安倍晋三・元首相も怖がっていた」素顔
NEWSポストセブン
今年大騒動になったフワちゃんの投稿。やす子とも和解しているが復帰はどうなるのか
《不適切投稿で炎上その後》フワちゃん「復帰カウントダウン…」活動休止中に模索した“新たな道”
NEWSポストセブン
平原容疑者の高校生時代。優しい性格だったという
「小学生の女の子にフフっと笑いかけ…」平原政徳容疑者(43・無職)が見せていた常連コンビニ店での一面「いつも目が血走っていた」【北九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
ドラフト会議で注目を集めた清原正吾
《慶大体育会野球部・清原清吾の就職先》両親の影響で「電通か博報堂」も浮上 芸能関係の会社も視野に
NEWSポストセブン
関係者と一緒に歩く姿
【『ザ・トラベルナース』華やかな打ち上げ】中井貴一は岡田将生を育てることを使命にこの仕事を引き受けた…W主演の秘話
女性セブン
筑波大学合格で不安視される悠仁さまの通学問題(2024年8月、岐阜県関ヶ原町。撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学合格で不安視される“車で往復3時間”の通学問題 移動のルートやタイミングが特定されやすく警備は困難 “卒業を待たずに留学”の可能性も
女性セブン
「玉木雄一郎首相」が浮上した背景とは(時事通信フォト)
「国民民主党・玉木雄一郎首相」が浮上 予算成立のメドが立たずに追い詰められた石破首相が「野党の協力で予算を成立させ退陣」「自公国で連立」の有力シナリオ
週刊ポスト
宮田笙子(時事通信フォト)
《喫煙・飲酒でパリ五輪辞退》体操女子の宮田笙子選手、400年の歴史誇る寺院の母親が明かした現在「まだ実家にも帰ってきていません」
NEWSポストセブン
格闘技イベント『BreakingDown』の会場に行った川口さん(本人Xより)
《“男性の体臭発言”で炎上》川口ゆりを司会に…イベント主催者が明かす「起用の経緯」と「参加者からの反応」
NEWSポストセブン
内田容疑者は北海道留萌市の高校生・村山月さん(17)を殺害した疑いがもたれている
【旭川女子高生殺害】駅裏で売春のために立っていた少女たちは今…内田梨瑚被告(22)の逮捕で変わった繁華街「サンロク街」の現在、警察が本腰入れるもキッズたちはSNS使って“買う男”探し
NEWSポストセブン
送検時の平原容疑者(左、共同通信)。右は高校時代の平原容疑者
「被害者と同じ歳くらいの娘がいたと聞いている」平原政徳容疑者に「数か月前に離婚した」証言も…謎が深まる“犯行動機” 【北九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 2025年「人生の壁を越える」総力特集ほか
「週刊ポスト」本日発売! 2025年「人生の壁を越える」総力特集ほか
NEWSポストセブン