遠隔地からの中継であることをうまく活かしているテレワーク芸人たちだが、いつまでもこのパターンが通用するわけではないとの声も。ある構成作家はこう話す。
「テレワークでの笑いは、シチュエーションが限定された中での“ボケ”なので、そんなにたくさんのパターンがあるわけではない。今はまだ物珍しいのでウケていますが、すぐにそのパターンは使い尽くされてしまうでしょう。つまり、決して賞味期限が長いものではないんです。
最終的にはスタジオとしっかりコミュニケーションが取れる芸人がテレワークで重宝されると思いますよ。それこそ小峠さんや陣内智則さんなど、的確かつ鋭くツッコミを入れられる芸人さんであれば、安心して起用できる。“地肩”が強い芸人さんこそが、テレワーク芸人として活躍するのではないでしょうか」
しかし、『ヒルナンデス!』のようにバラエティー色の強い生放送の情報番組であればテレワーク芸人の面白さを発揮できるが、ワイドショーのような報道色の強い番組では難しい部分もある。
「ただでさえ、時事ネタは笑いに変えるのが難しいのに、場の空気が読みづらいテレワーク出演だと、相当な実力者でないとなかなか対応できないはず。それこそ、モニターの中からボケとして発した言葉の意味がスタジオにまったく伝わらず、とんでもない空気になってしまうこともあると思います。しかも、時事ネタを扱うということで、多少不謹慎なボケになる可能性も高く、その分炎上リスクも大きくなる。そういったリスクを考えると、ワイドショーへの芸人出演は減っていくかもしれないですね」(前出・テレビ局関係者)
テレワーク出演の増加によって、芸人の立ち位置に変化が生じてきているのは事実。いかにこの状況に対応できるか、芸人の腕の見せ所だろう。