国内

電通と政党の深い結びつき その実態と歴史

五輪は電通にとって最大規模のイベント(AFP=時事)

『メディアと自民党』などの著書がある東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の西田亮介氏が指摘する。

「電通にとって選挙関連の仕事では自民党や有力政治家との人脈を広げることで、そのパイプや信頼感から省庁や関係者とのつながりを得られるメリットがある」

 広告業界では近年、「ネット広告」の割合が増え、従来のマスメディア広告全盛の時代よりも、電通をはじめとする大手代理店のプレゼンスが低くなったといわれるが、政界で時代の流れにいち早く対応した動きが、2013年7月の参院選から解禁された「インターネット選挙運動」に関する働きかけだったという。

「日本国内では2013年からネット選挙解禁の機運が高まっていた。複数の関係者の証言によれば、2012年頃から電通は自民党に対して、ネット選挙解禁に向けた提案を行なっていたようです。当時はアメリカのオバマ大統領のネット活用が話題にのぼっており、そうした動きが日本でも起こることに備えた提案だったとされます」(前出・西田氏)

『電通巨大利権』などの著書がある博報堂出身のノンフィクション作家・本間龍氏は、電通は安倍政権下での「改憲国民投票」をも新規事業として見据えているのでは、と指摘する。

「国民投票の広告宣伝規定は通常の選挙より緩く、『投票日から14日以内のテレビCM放映禁止』以外の規制がない。安倍首相が悲願の改憲に向けて国民投票を行なうとなれば、多額の広告宣伝費を用意する可能性がある」

 膨大な税金が投入される事業だからこそ、その流れの正当性や透明性が過程も含めてきちんと検証されなくてはならない。

※週刊ポスト2020年7月3日号

自衛官募集のポスターを請け負うのも電通(時事通信フォト)

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