地方自治の第一人者・佐々木信夫氏の「採点表」(その2)
情報発信は正しく、細かく
知事の「情報発信」は住民が正しい情報を知る重要な機会だ。佐々木氏は小池百合子・東京都知事と吉村洋文・大阪府知事の発信力を高く評価する。
「吉村府知事は5月に独自の自粛要請・解除基準を定めた『大阪モデル』を発表し、感染状況に合わせて黄色や赤色などに通天閣をライトアップして、警告を“見える化”するなど、高い発信力を発揮しています。
小池都知事は『三密』の言葉を全国に広めて注意喚起したほか、『ロックダウン』の用語を使って緊張感を持たせるなど、キャッチコピーを使ったメッセージ発信に長けていました。今後の東京都の新規感染者数を抑えることが重要ですが、発信力は評価してよいでしょう」
一方、舛添氏の意見は異なった。
「7月に入って東京都の1日の新規感染者数が4日連続で200人を超えた際、小池都知事は“PCR検査数が増えたから”と強調していましたが、それならば感染者数と検査数を同日に発表すべきです。本来なら検査数も同日発表できるはずですが、数日後に秘かに発表するだけで報道されない。小池都知事は自らの都合の良い時に、自分の有利になるような情報の出し方をしていると感じます。
感染者数だけでなく、検査数も含めた細かい情報発信が必要です。群馬県の山本一太知事は、自身のホームページやSNSで詳細なデータを発表しているので評価したい」